試してフシギ

電磁力による回転運動カンタンだけど大発明!モーターのしくみ(No.69)

カンタンだけど大発明!モーターのしくみ カンタンだけど大発明!モーターのしくみ

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな?

電動歯ブラシのような小さなものから新幹線まで、電気エネルギーを回転力に変えるモーターは暮らしのさまざまな場面で活躍しています。いったいどんなしくみで動いているのでしょう?

そうかなるほど!

図-1のように、磁石がつくる磁界の中に導線のコイルを置いて電流を流すと、電流が流れる方向に従ってコイルの一方(Aの部分)には上向きの力、もう一方(Bの部分)には下向きの力が働き、コイルの軸を中心とした回転力が生まれます。コイルに働く力は、コイルが磁石の磁界に対して平行な位置にあるとき最大になり、垂直の位置ではゼロになります。そのため、このままでは連続的に回転することができません。そこで、コイルが垂直の位置にきたところで電流の向きを逆にします。すると、それまで上向きの力が働いていたコイルのAの部分には下向きの力、下向きの力が働いていたBの部分には上向きの力が働くことになって回転が連続的になります(図-2)。この電流の切り替えは、「整流子」と「ブラシ」を組み合わせることで簡単にできます。これでコイルの回転が連続的になり、モーターとして動くのです。

1.フェライト磁石
(四角型の強力磁石)6個
2.エナメル線
(太さ0.3mm〈#30〉程度)20m
3.乾電池(単1)3個
4.クリップ付きリード線 2本
5.乾電池ホルダー(単1用)3個
6.アルミ缶(350ml)1個
7.スチール缶(190ml)1個
8.バルサ材
(長さ17×幅8×1cm) 1枚
9.浮き(長さ17~18cm程度)1本
10.サンドペーパー(#240) 1枚
11.キッチン用アルミテープ
12.セロハンテープ
13.両面テープ
14.カッターナイフ
15.はさみ

工作の完成品

[工作と実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・長い時間(5~6分)回していると熱で軸(浮き)が溶ける恐れがあります。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    エナメル線をスチール缶に100回巻きつけてコイルをつくります(両端は5cmほど外へ出します)。コイルを抜き取って2ヵ所を余ったエナメル線で止め、両端のエナメル線の被膜をサンドペーパーで削り落とします。

  • 2

    コイルを3~3.5cm幅の長方形にして浮き(軸)にさしこみ、余ったエナメル線を巻きつけて固定します。

  • 3

    アルミテープを幅2.5cmに切って軸の先端に巻き、図のように1~2mm幅のみぞをつくります。反対側にもみぞをもう1本つくります。これが整流子になります。

  • 4

    整流子にエナメル線の両端を幅0.5cm程度のセロハンテープで巻いて固定します。はみ出したエナメル線は切り落とします。整流子のみぞの上にもセロハンテープを貼ると回転がスムーズになります。

  • 5

    アルミ缶からブラシをつくります。5×1cmのアルミ片を切り取り、両面をサンドペーパーでみがいて縦半分に切ります。それぞれを図のように曲げ、整流子にしっかり接触する形にします。

  • 6

    バルサ材を15cmと2cmの幅に切り分けます。2cm幅に切ったバルサ材を図のように加工して軸受けを2個つくります。

  • 7

    バルサ材の台に同じ極を上側にして磁石3個を両面テープで貼りつけ、その上に同じ極を上にして磁石3個を置きます。軸受けを取りつけてコイルを置き、ブラシを右図のように固定します。ブラシが整流子にきちんと接触し、ブラシ同士がくっついていないことを確認します。乾電池を取りつけたリード線をブラシのaとbにつなぐとコイルが連続的に回転します。回転しない場合はコイルを指で回してみましょう。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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