試してフシギ

リサージュ曲線振り子が描く規則的な絵(No.66)

振り子が描く規則的な絵 振り子が描く規則的な絵

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな?

糸におもりをつけて自由に動くようにしたものを単振り子といいます。おもりを重くしても、振り幅を大きくしても一定の周期(一往復するのにかかる時間)で振れますが、糸の長さを変えると周期が変わります。ところで、糸をY字形にすると振り子はどんな動き方をするのでしょう?

そうかなるほど!

単振り子では、おもりを振らせる方向を変えても一定の往復運動をするだけですが、糸をY字形にした複振り子では動き方が変わります。たとえば、下の図で前後におもりを振らせると図のAとBを足した糸の長さの単振り子として動きますが、左右に振らせるとAの糸の長さの単振り子として動きます。この中間の斜め45度の角度で振らせると、前後・左右のそれぞれの単振り子の振り方を合わせた動きをし、振り子の先端は規則性のある曲線を描きます。また図のAとBの長さの比率を変えると、振り子の先端が描く曲線のかたちが変わります。
この複振り子が描く曲線を、発見者の名からリサージュ曲線といいます。

・片面のり付きボード1枚
(A2サイズ:長さ59.4×幅42×厚さ0.5cm)
・黒い布または紙1枚(42×42cm)
・調味料ポット1個
・ワッシャー3個(内径2cm程度)
・食塩(さらさらした塩)450g程度
・たこ糸5m程度
・はさみ
・キリ
・両面テープ
・クリップ1個
・押しピン3個

  • 1

    のり付きボードを42cm角に切り、黒い布(または紙)を貼りつけてキャンバスをつくります。

  • 2

    調味料ポットで振り子をつくります。調味料ポットの底の部分を平らに切ります。次に先端部を少しずつ切って2mm程度の穴があくようにします。

  • 3

    キャップ部分にワッシャー3個を両面テープで貼りつけます。

  • 4

    底部に均等に3カ所の穴をあけ、それぞれに20cmに切ったたこ糸3本を通して結び、3本のたこ糸の先をひとつに結びます。

  • 1

    振り子に長いたこ糸を通し、部屋のドアの枠などを利用してつり下げます。

    ※振り子の高さを調整して先端がキャンバスの1~2cm上にくるようにし、クリップでたこ糸を止めて固定します。

  • 2

    振り子の先端の穴を指で抑えながら中へ食塩を入れ、振り子がキャンバスの対角線上を動くよう、静かに手をはなします。

  • 3

    振り子を振り出す位置を変えたり、たこ糸の長さの比率を変えると描かれる図形も変化します。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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