試してフシギ

光の全反射光のブーケをつくろう!(No.65)

光のブーケをつくろう! 光のブーケをつくろう!

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな?

つり糸でつくった光のブーケ。
つり糸の端から入った光が反対側から出てきて、ちいさな光の花を咲かせます。
ところで、光には直進するという性質があるはずなのに、どうして曲がりくねったつり糸の中を伝わるのでしょう?

そうかなるほど!

光は直進しますが、途中に別の物質があると反射したり屈折したりして進む方向が変わります。たとえば水中から空気中に光が進むとき、水面に垂直に入射する光はほとんど空気中に抜け出しますが、光が入射する角度を水面に近づけると空気中へ抜け出す光は少なくなり、水面で反射して水中に戻る光が多くなります。そしてある角度に達すると、光がすべて水面で反射されて水中に戻ります(図-1)。このように屈折率が高い物質から低い物質に光が進もうとするとき、境界面ですべて反射される現象を全反射といい、光ファイバーに応用されています。
光ファイバーは中心にコアと呼ばれる屈折率の高い部分があり、その周囲を屈折率の低いクラッドと呼ばれる層が包んでいます。このためコアに入射した光はクラッドとの境界面で全反射を繰り返して進むことになり、光ファイバーがどんなに曲がりくねっていても、コアに入射した光はコアの中に閉じこめられたまま遠くまで伝わるのです(図-2)。
つり糸でも光の全反射を見ることができます。つり糸は光ファイバーほど遠くまで光を届けることはできませんが、短い距離なら全反射で光を伝えることができます。つり糸を使って光の花を咲かせてみましょう。

・ナイロン製つり糸 20mくらい
(20号程度のできるだけ太いもの)
・セロハン 各1枚
(黄色:4cm角、青:0.4cm角)
※セロハンの色は他の色でもかまいません。また、使わなくても実験はできます。
・はさみ
・サンドペーパー 1枚
(#240~#480)
・黒のビニールテープ
・ドライヤー
・洗面器
・ペットボトル 1本(500cc)
・画用紙(5cm角) 1枚
・輪ゴム 1本
・瞬間接着剤(ゼリー状タイプ)

  • 1

    つり糸を20cmくらいの長さで100本ほど切り、お湯(80℃程度)に入れて巻きぐせを取って乾かします。

  • 2

    一方の端をそろえて輪ゴムで仮り止めし、2cmくらいの長さまで接着剤で塗り固めます。よく乾いたら、塗り固めた底の面をサンドペーパーできれいにみがきます。

  • 3

    黄色のセロハンの中心に0.3cm角の穴をあけます。青色のセロハンを(2)でみがいた面の上に置き、穴が青色のセロハンの上にくるように黄色のセロハンをかぶせて輪ゴムで固定します。

  • 4

    セロハンをかぶせたつり糸の根元とペンライトの先端を包むように画用紙を巻きつけ、筒をつくります。

  • 5

    つり糸の先から出てくる光が強くなるよう、ペンライトの位置を調整してから、筒とその周囲をビニールテープで巻いて光がもれないようにします。

  • 6

    つり糸をいろいろな長さにカットします。斜めにカットして断面を広くすると、光がよく見えるようになります。

  • 7

    ドライヤーでつり糸に熱を加えて全体をバランスよくきれいに曲げます。

  • 8

    ペンライトを点灯してペットボトルの中に入れ、部屋を暗くします。ブーケの先端に小さな光の花がいっぱい咲きます。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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