試してフシギ

うず電流アルミニウムが磁石に反応?(No.64)

アルミニウムが磁石に反応? アルミニウムが磁石に反応?

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな?

途中に穴のあるすべり台の上から1円玉をすべらせます。
何もない状態なら1円玉は穴を飛びこえますが、穴の前に磁石を置くと磁石のところでブレーキがかかり、1円玉は穴へ落ちてしまいます。1円玉はアルミニウム製だから磁石にはくっつかないはずなのに、いったいどんな影響を受けたのでしょう?

そうかなるほど!

アルミニウムなど電気がよく流れる金属の中には自由に動きまわることのできる電子(自由電子)がたくさんあります。これらの金属が磁場の中を通ると自由電子は磁場から力を受けて動きだし、うず状に流れる電流をつくります(図-1)。電流が流れると右ネジ方向に磁界が発生するため(図-2)、うず電流も磁場から力を受けることになります。この力は金属板が運動する方向とは逆の方向に働くため、金属板にはブレーキがかかることになります(図-3)。この原理は新幹線車両のブレーキなどにも応用されています。

・ボール紙
(A)[タテ45×ヨコ4.5cm] 1枚
(B)[タテ15×ヨコ4.5cm] 1枚
・木材 2本
(長さ90×幅1×厚さ0.3cm)
・強力な磁石 8個
(フェライト磁石など)
・透明な下敷き 1枚
・1円玉 数枚
・木工用接着剤
・0.5~1cm幅両面テープ
・輪ゴム 数本
・カッターナイフ

  • 1

    木材と下敷きを図の寸法に切りわけます。

  • 2

    ボール紙(A)の左右の端に木材(C)を接着剤ではりつけ、木材(C)の端の下側に木材(D)をはりつけます。

  • 3

    ボール紙(B)を輪ゴムですべり台の下側に取りつけます。

  • 4

    下敷き(E)2枚に、図のように磁石4個がくっつき合う向きに両面テープではりつけます。

  • 1

    すべり台を斜めに置き、1円玉が自然にすべり落ちる角度に調整します。

    1円玉をすべらせてみます。輪ゴムでとめたボール紙(B)をスライドさせ、1円玉が飛びこせる距離に調整します。

  • 2

    1円玉が飛びこせることを確認したら、磁石をはった下敷き(E)をすべり台の上下に取りつけます。

  • 3

    1円玉をすべらせると磁石の部分でブレーキがかかり、失速して穴に落ちます。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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