どうしてなのかな?
地震に備えるには建物などを揺れに強い構造にする必要があります。でも、それだけでは十分ではありません。地盤にも注意が必要です。砂の多い地盤の場合、地震によって液状化という現象が起きる可能性があるからです。液状化現象とは地盤が地震によって一時的に液体のような状態になる現象のことで、このような状態になると地盤は構造物を支えることができなくなり、建物などが沈んだり倒壊してしまうことがあります。
液状化現象はどこでも起こるわけではありません。地盤が主に砂でできていて比較的ゆるく、地下水位の高い所で起きやすいのです。なぜでしょう?
そうかなるほど!
このような地盤では砂粒どうしの接する面が小さく、すき間がたくさんあって、そこに地下水が入りこんでいます。
ここに地震の揺れが働くと、砂粒のすき間にある水の圧力が高まって砂粒どうしのかみ合いがはずれ、砂粒が水に浮いたような状態になります。この状態を液状化といいます。
圧力が高くなった水は地表にわき出して、その分だけ地盤は沈下して以前より砂粒どうしがすき間を埋めて密になります。
(1)液状化前
すき間の多い砂層に地下水が入りこんでいる。
(2)液状化
地震によって砂粒が水に浮いたような状態になる。
(3)液状化後
水が地表に出て、地盤は以前よりも水分が少なく密な状態になる。
・熱帯魚水槽用の砂 約1kg
(細かい硅砂)
・プラスチック容器 1個
(タテ・ヨコ10cm、深さ10cm程度)
・木材1枚
(長さ46×幅12×厚さ0.5cm)
・モーターセット 1個
(モーター、電池ボックス、プーリー、取付金具つき)
・針金1本
(直径0.5×長さ8cm程度)
・木工用接着剤
・単1または単2乾電池 1本
(使用済みのもので可)
・単3乾電池 2本
・プラスドライバー
・のこぎり
・ペンチ
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1
モーターの回転軸にプ-リーを取りつけ、針金をペンチで巻きつけます。
※回転軸の重心をずらすことで振動をつくります。 -
2
木材を図のようにのこぎりで切り、(A)の1枚に取付金具でモーターを固定します。
※モーターセットを利用しない場合は(A)にキリで穴をあけ針金を通してモーターを固定してください。 -
3
モーターを内側にして(A)と(B)を接着剤ではり合わせて箱をつくります。
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4
電池ボックスとモーターをビニールコードで配線し、単3乾電池をセットします。
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1
プラスチック容器の中に砂を入れ、水を砂の表面に達しないぎりぎりのところまで入れます。
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2
砂の上に単1(または単2)乾電池を立てます。
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3
スイッチを入れ、モーターを回転させます。発生した振動が砂を入れた容器に伝わると砂から水がわき出し、液状化が起こります。この液状化現象によって乾電池が沈み込むように倒れます。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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