どうしてなのかな?
水を満たした容器に穴をあけると、水が勢いよく飛び出します。最初は勢いがありますが、水の量が減って水圧が小さくなるにつれて勢いは弱まります。これがふつうですね。
でも、水の勢いを一定にする方法があります。容器を密閉するふたに細く長いパイプを通すのです。
これだけで、穴から飛び出す水の勢いは容器の中の水面がパイプの下端に達するまで一定になります。
そうかなるほど!
このしくみは、フランスの物理学者マリオットが考案したことから「マリオットのびん」と呼ばれています。では、なぜ水の勢いが一定になるのでしょうか。
パイプの中の大気圧はパイプの上端でも下端でも同じです。そして、パイプの下端から水面までの水の圧力と容器の中の空気の圧力(大気圧より低い)を加えた圧力は、大気圧と同じになります。つまり、水を押し出す力として働く水圧は、水中のパイプの下端から穴までの高さの水圧分ということになるのです(図参照)。このため、容器の中の水面がパイプの下端の位置に下がるまで、水は一定の水圧で押し出されるのです。
パイプの下端の位置を浅くしたり深くしたり、穴の位置の下まで差し込んだりした場合、水はどうなるのでしょうね。試してみてください。
・ペットボトル(1L) 2本
・ストロー(21cm) 2本
・彫刻刀
・はさみ
・ポリエチレン用接着剤
・丸い割りばし 1本
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1
1本のストローから長さ2cmのものを2本切り取ります。
(もう1本はパイプとしてそのまま使います) -
2
それぞれのペットボトルの底から2cmほどの位置に、彫刻刀でストローが入る大きさの穴をあけます。
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3
手順(1)のストローを穴に差し込み、周囲を接着剤で塗り固めて空気がもれないようにします。
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4
2個のキャップの中央に、彫刻刀でストローが入る大きさの穴をあけます。
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5
一方のキャップにストロー(21cm)を差し込みます。2cmくらいふたの上に出しておき、周囲を接着剤で塗り固めて空気がもれないようにします。もう一方のキャップは穴をあけたままの状態で使います。
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1
水がもれないようにペットボトルの下のストローに割りばしを差し込みます。
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2
ペットボトルに水を満たしてキャップをし、テーブルなどの端に置きます。
※室内で行う場合には、下にバケツなど水受けを置きます。 -
3
割りばしを外し、2本のペットボトルから飛び出す水の勢いや変化のようすを観察しましょう。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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