試してフシギ

水蒸気爆発ポップコーンは火山の爆発!?(No.53)

ポップコーンは火山の爆発!? ポップコーンは火山の爆発!?

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな?

今回は水蒸気爆発について考えてみましょう。水蒸気爆発は、自然界では火山活動として見ることができます。これは、地下のマグマが直接放出される噴火とは違って、水蒸気が噴出する火山の爆発です。最近の例としては、2000年の有珠山(北海道)での水蒸気爆発があります。この火山の水蒸気爆発と、ポップコーンができる原理は同じです。どちらも水が急激に水蒸気になることから起こります。

そうかなるほど!

地下水がマグマに接触すると、水は水蒸気となって急激に膨張します。周囲を硬い岩盤で囲まれて密封されていると、逃げ場のない水蒸気は内部でどんどん圧力を高めます。そして最後には、圧力に耐えきれなくなった岩盤が爆発的に吹き飛び、水蒸気が放出されます。これが火山の水蒸気爆発です。ポップコーン用のとうもろこしの粒(爆裂種)は、中心部に水分が多く柔らかいでんぷんがあり、その外側を硬いでんぷんが包んでいます。これを加熱すると、柔らかいでんぷんに含まれる水分は水蒸気になりますが、外側が硬いでんぷんで被われているため、内部の圧力は次第に高まります。さらに加熱を続けると、ついに内部からの水蒸気の圧力に耐えきれず、外側の硬い部分が破裂します。こうして、ふっくらとしたポップコーンができあがるのです。

・石油ストーブ
・350m アルミ缶 1個
・ポップコーン用コーン 大さじ約1杯
・サラダ油(バターでも可) 大さじ約1杯
・塩(少々)
・キッチン用アルミ箔
・アルミテープ 
(キッチンすき間合わせ用)
・缶切り
・カッターナイフ
・軍手

  • 1

    アルミ缶の上部を缶切りで切り取り、水洗いして乾かします。

  • 2

    アルミ缶に大さじ約1杯のポップコーン用コーンを入れます。

    ※ポップコーン用コーンは30倍ほどふくらみます。入れすぎないようにしましょう。

  • 3

    熱の伝わりをよくするためのサラダ油を大さじ約1杯、味付けのための塩を少々加えます。

  • 4

    アルミ缶の上部をアルミ箔で包み、アルミテープで止めます。

  • 5

    アルミ缶を石油ストーブの上に置き、20~30分加熱します(火力の強弱によって加熱時間は違ってきます)。

  • 6

    ポンポンとはじける音が止まったらできあがり。アルミ缶を冷まし、軍手をはめてアルミ箔をカッターナイフで切り開きます。

  • 7

    水蒸気爆発の様子が見たい場合は、アルミ缶の代わりに耐熱ガラス容器を使って観察しましょう。

    ※耐熱ガラス容器以外のガラス製品は使用しないでください。火にかけると、割れることがあります。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

NGKサイエンスサイトは日本ガイシが運営しています。ご利用に当たっては、日本ガイシの「プライバシーポリシー」と「ご利用条件•ご注意」をご覧ください。
本サイトのコンテンツ利用に関しては、本サイトお問い合わせ先までご相談ください。

このサイトが気に入ったらシェアしてください

page top