試してフシギ

反応熱鉄のさびであったまろう?!(No.43)

鉄のさびであったまろう?! 鉄のさびであったまろう?!

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな?

鉄を空気中に放置しておくと、次第に真っ赤にさびていきます。
これは、酸化という化学反応によるもので、鉄が空気中の酸素と結合して酸化鉄に変化するためです。
ところで、この反応では熱が発生します。ふつう、化学反応では熱の発生や吸収が起こります。熱が発生する場合を発熱反応、吸収される場合を吸熱反応といい、その時の発熱や吸熱を反応熱と呼びます。一般的に、物質を構成する分子は原子の化学結合によってつくられ、化学結合を切り離す時にはエネルギーが必要になり、逆に化学結合する時にはエネルギーを放出します。鉄が酸素と結合して酸化鉄へと変化する時には、余分なエネルギーを反応熱として放出しているのです。

そうかなるほど!

でも、さびた鉄をさわって熱いと感じたことはありませんね。
化学反応のスピードには速いものから遅いものまで、いろいろあります。
鉄の酸化反応はゆっくりと進みますから、ふつうの状態ではさびた鉄から熱を感じることができないのです。鉄の反応熱を感じるには酸化反応を速める必要があり、酸素にふれる面積を大きくするために細かくしたり、酸化反応をスピードアップする物質(今回の実験では食塩)を加えたりします。
では、このような方法を利用して鉄の反応熱の実験をしてみましょう。※鹿沼土は多孔質の土で酸素を含みやすい性質をもっています。

・鉄粉
(100メッシュ程度の細かいもの)
※金属材料店などで1袋100g単位くらいで扱っています。
・鹿沼土(かぬまつち)
※園芸店などにあります。
・食塩
・大きめの丸い容器
(サラダボールなど)
・すりこぎ
・和紙(約10cm角)
※文房具店などにあります。
なるべく丈夫で通気性の良いものを選びましょう。
・チャック式のアルミ製袋
(アメ玉の袋など)
・割りばし
・のり

  • 1

    和紙を二つ折りにし、端をのりづけして袋を作ります。

  • 2

    丸い容器の中に大サジ4杯の鹿沼土を入れ、細かくつぶします。

  • 3

    細かくした鹿沼土に、鉄粉を大サジ2杯入れて割りばしでよく混ぜ合わせます。

  • 4

    混ぜ合わせた鹿沼土と鉄粉を和紙袋に入れます。

  • 5

    和紙袋の中に小サジ1杯の食塩を入れます。

  • 6

    和紙袋の口をのりで閉じ、空気に触れないようチャック式のアルミ製袋にすばやく入れます。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・カイロの和紙袋をやぶって直接中身を手でさわったりしてはいけません。
・カイロとして使用する時は、必ずハンカチなどの布で包んで使用してください。
・温度が上がりすぎる場合がありますから、十分注意して実験を行いましょう。
・カイロを捨てる時は、完全に熱が冷めてから燃えないゴミとして捨てましょう。
・工作・実験を行う際は、手順を必ず読んでから行ってください。
・工作・実験で使用する器具や材料の扱いは十分に注意をし、とくにヤケドに気をつけましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    和紙袋をチャック式のアルミ製袋から取り出して、よく振ります。

  • 2

    少し時間が立つと空気の中の酸素と反応して発熱し、ゆっくり温度が上がってきます。

  • 3

    温度が下がったら、もう一度よく振るとまた温度が上がってきます。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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