試してフシギ

復氷割れてもまたひとつになる(No.42)

割れてもまたひとつになる 割れてもまたひとつになる

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな?

手のひらに乗せたふたつの氷をぎゅっと握っていると、氷どうしがくっついてしまいます。この現象を復氷といいます。復氷はどのようなメカニズムで起きるのでしょう?

そうかなるほど!

氷に圧力を加えると融点(ゆうてん)が下がり、圧力が加わった部分が水になります。そして圧力を取り除くと、融点がもとに戻ってとけた部分が再び凍ります。この現象が復氷です。ふたつの氷をくっつけて圧力を加えると、凸凹した氷の表面の接触点に大きな圧力が加わり、融点が下がるために氷がとけて水になります。ふつうなら凍っているのに、圧力のために0℃でも氷にならない状態になるのです。そして、とけた水が接触面のすき間に流れ込むと、その部分には圧力が加わっていないため、とけた水が再び凍ってふたつの氷をくっつけてしまうのです。
※物質が固体から液体になる温度のこと(水は1気圧のもとでは0℃で氷になります)。

実験〈1〉〈2〉共通

・牛乳・ジュースなどの1L紙パック 2個
(キャップ付きのものなら冷凍庫に横にしても入れられます)
・カッターナイフ
・ふきん2枚
・軍手

実験〈1〉用

・かなづち
・のこぎり

実験〈2〉用

・2Lペットボトル5本
・ビニールテープ
・釣り糸(5号程度)
・水滴を受けとめる容器
 (お盆やトレイなど)

  • 1

    からの紙パックに9割程度(水は凍ると体積が1割ほど膨張します)水を入れ、一昼夜冷凍庫に入れて氷をつくります。

  • 2

    氷が取り出しやすいよう少し水でとかし、紙パックをカッターナイフで切り開きます。

  • 3

    軍手をはめ、のこぎりで氷の中央部に切れ目を入れます。2枚のふきんをたたんでテーブルに敷き、その上に氷の中央部が浮くように乗せてかなづちで氷をふたつに割ります。

  • 4

    割ったふたつの氷の断面を合わせてふきんを敷いたテーブルに置き、上からゆっくりと力を加えます。しばらくすると、ふたつに割れた氷がくっついています。これが復氷現象です。

  • 1

    2Lペットボトル2本に水を入れます。

  • 2

    水滴受け用の容器の上にペットボトルの台を並べて置き、ふきんを敷いて[実験〈1〉の手順]と同様の方法でつくった氷をのせます。

  • 3

    からのペットボトル2本の上部をカッターナイフで切り取り、水を入れたペットボトルの上にそれぞれ逆さまに重ね、ビニールテープを巻いて固定します。

    ※氷を置く台にします。

  • 4

    残った2Lペットボトルに水をいっぱいに入れ、上下2カ所を釣り糸で結んで氷にぶら下げ、氷に圧力を加えます。

釣り糸は徐々に氷に食い込んでいき最後には完全に氷を通過します。しかし、切断されたはずの氷はひとつの氷の塊のままになっています。釣り糸は圧力によって氷をとかしながら進みますが、通過した後は圧力が取り除かれ、切断面が復氷によって再び凍っていくためです。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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