どうしてなのかな?
電磁気から発生する磁気
時速500kmで走る未来の超特急、リニアモーターカー。その開発の大きなポイントは、強力な電磁石をつくりだすこと。しかし、強力な電磁石からの強い磁気は、心臓のペースメーカーや電子機器などに影響を与えるといわれています。このため、磁気を封じ込めて外に漏らさない効果的な磁気シールド材の研究が進められています。
そうかなるほど!
金属のシールド効果を利用して
磁気はどんな物質でシールド(さえぎること)できるのでしょう?一般に磁気をシールドする効果をもつ物質は、磁石にくっつく金属類(鉄・ニッケル・コバルトやこれらの合金)と考えられています。磁気はほとんどの物質を通り抜けますが、磁石にくっつくこれら金属類は磁気を内部に収束する(引き寄せる)特性をもっています。
シールド材にはこの特性が応用されています。たとえば、変圧器のカバーには磁気シールドのことも考えて鉄が使われています。また医療機器のMRI(核磁気共鳴断層撮影装置)のカバーにはパーマロイ(鉄とニッケルの合金)がシールド材として使われています。磁気は、これからもますます私たちの生活に関係してくるでしょう。しかしその一方で、まだ完全にシールドすることはむずかしいといわれており、より効果の高いシールド材の開発が期待されています。
・透明な容器2個
(プリンなどの空き容器やプラスチック製使い捨てコップなど)
・スチール缶1個
・アルミ缶1個
・磁石(なるべく強力なもの)
・クリップ数個
・カッターナイフ
・かなづち
・両面テープ
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1
カッターナイフで透明容器の底部を5mmくらいの幅で半分まで切り抜き、すきまをつくります。
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2
〈手順1〉で作った透明容器をもうひとつの容器に重ねます。
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3
磁石を重ねた透明容器の底の部分に両面テープで固定します。
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4
アルミ缶とスチール缶をかなづちで平らにつぶして板状にします。
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1
透明容器の中にクリップを数個入れて磁石にくっつけ、クリップが落ちないように逆さまにします。
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2
板状にしたアルミ缶を容器にあけたすきまにゆっくり差し込みます。次に板状にしたスチール缶でやってみましょう。
実験の結果
アルミ板を磁石とクリップの間に差し込んでも、クリップは磁石から離れません。しかし鉄を差し込むと、クリップは磁石から離れて落ちます。磁気がアルミでは通過し、鉄ではさえぎられるからです。このことから、鉄は磁気シールド材として効果があることがわかります。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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