試してフシギ

揚力飛行機を空にもちあげる空気の力(No.38)

飛行機を空にもちあげる空気の力 飛行機を空にもちあげる空気の力

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな?

ジャンボジェット機の重さは約350トンあります。このような重いものがどうして空に浮かぶのでしょう?
それは、飛行機の重さを空中で支える力があるからです。この力は、翼が揚力(ようりょく=飛行機が進む方向に対して上向きに働く力)をつくりだすことによって得られます。

そうかなるほど!

飛行機の翼の断面は、右の図のように上が丸い形をしています。翼に前から風が当たると、翼の上面にそって流れる空気の流れの速さは、下面に流れる空気の速さに比べて速くなります。連続した流体の中では、流れの速いところほど流れの中の圧力は小さく、遅いところほど圧力が大きい(ベルヌーイの定理)ため、翼の上面では圧力が小さく、下面では大きくなります。この上下の圧力差で、翼は重力に逆らって圧力の小さい上の方へ引き寄せられます。この力が、飛行機を空に浮かべる大きな揚力となるのです。

・ボール紙2枚
(幅20cm×長さ35~40cm程度)
・透明で丸い形のペットボトル
(500cc程度)
・ゴム風船
・扇風機
・ガムテープ
・カッターナイフ
・接着剤
・はさみ

  • 1枚のボール紙を端から高さ7cmくらいのところで折り曲げます。

  • 2

    もう1枚のボール紙を〈手順1〉のボール紙に合わせて曲げ、余った部分(6cm程度)を切り取ります。

  • 3

    ペットボトルの円筒部分を切り取ります。

  • 4

    上面になるボール紙の中央部に穴をあけ、切ったペットボトルを差し込みます。

  • 5

    2枚のボール紙をテープで仮止めし、穴の位置が上下垂直になるよう印をつけて、もう一方のボール紙にも穴をあけます。

  • 6

    ガムテープで貼り付けて組み立て、翼の断面のかたちにします。

  • 7

    下の穴にペットボトルを通してはみ出た部分を切り取り、その回りを空気がもれないように接着剤でふさぎます。

  • 8

    風船はペットボトルの直径よりやや小さい程度にふくらませておきます。

  • 扇風機を中ぐらいの風速で回し、その正面で翼をもちます。

  • 2

    風船を穴の下側に近づけると、上面に風船が吸い上げられていきます。

    翼を上下ひっくり返すと、風船は下に落ちていきます。

  • 3

    カーブした面の方がつねに圧力が小さくなるため、風船はいつもそちら側から飛び出 します。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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