試してフシギ

酸性雨むらさきキャベツで酸性雨を調べよう!(No.35)

むらさきキャベツで酸性雨を調べよう! むらさきキャベツで酸性雨を調べよう!

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな?

6月5日は「世界環境デー」。地球環境問題のひとつ、酸性雨について調べてみましょう。 酸性雨は樹木や農作物に被害を与えたり、遺跡や文化財を溶かしたり、湖に魚が住めなくするなど、世界の広い範囲で問題となっています。 石炭や石油などの化石燃料を燃やした排煙に含まれる、窒素酸化物や硫黄酸化物などの物質が大気中に広まって雨粒に吸収されると雨粒は酸性化します。 酸性、アルカリ性の濃度を表すpH(ペーハー)が5.6 以下になると、酸性雨と呼ばれます。 大気や水の循環は地球規模の現象で、酸性雨の原因となる物質は地球規模で循環する気流に乗って移動しているため、地球上の広い範囲で酸性雨が観測されています。

そうかなるほど!

むらさきキャベツのしぼり汁は、酸・アルカリの強弱によって色が変化します。これはしぼり汁に含まれるアントシアニンという色素が、水溶液中の酸やアルカリに反応して色の変化を起こすからです。実験では、これを指示薬として使います。
さまざまな時間帯や場所で雨水を採取して、指示薬の色の変化で雨のpHを確かめ てみましょう。

雨水の採取用

・大きめのビニールごみ袋
・ポリバケツ
透明なびん数本
(清涼飲料水の容器など)

実験用

・むらさきキャベツ4分の1個
・ペットボトル天然水1本
・まな板
・包丁
・脱脂綿
なべ
※実験では耐熱ガラスを使用
・太めのストロー
・カッターナイフ

1:雨を採集する

  • 降りはじめや途中の雨、違った場所の雨など、時間や場所を変えて別々に採取します。はね返りの雨で地表の物質が混入しないよう、ビニールのごみ袋を広げた上にポリバケツを置いて雨をためます。

  • 2

    採取した雨は透明ガラスびんに入れて保存、採取日時や場所をマジックペンで記録しておきましょう。

2:指示薬をつくる

  • 1

    むらさきキャベツを細かくきざんでなべに入れ、400cc(牛乳びん2本分)の天然水を加えます。

  • 2

    ガスレンジで沸騰させないようゆっくり煮詰め、色素を抽出します。むらさき色の色素が抜け出してキャベツが白くなったら、火から下ろしてじゅうぶんさまします。

  • 3

    電天然水のペットボトルを二つに切り分け、脱脂綿をつめてろ過器と容器をつくります。そこに、むらさきキャベツの汁を注ぎ、容器にためます。

3:実験して調べる

  • 1

    雨水を保存した透明ガラスびんの中に、むらさきキャベツでつくった指示薬をストローで取って入れます。びんの中の雨水の3分の1くらいの量になるまで、繰り返して入れてください。

  • 2

    日時、場所の違いで、採取した雨の酸性の具合が色の変化で現れます。微妙ですが、色の違いを写真のサンプルと比較して確かめてください。
    ※指示薬は、時間の経過とともに少しずつ微妙な色の変化を起こします。サンプルは指示薬を入れてから、約24時間経過したものです。印刷のため実際の色とは多少違いがありますのでだいたいの目安としてください。

ほかにも、レモン・リンゴ・梅干しなどのしぼり汁や石けん水など、いろいろ試してみてください。色の変化を見ることができます。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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