試してフシギ

草木染めタマネギが秘めた優しい黄金色(No.30)

タマネギが秘めた優しい黄金色 タマネギが秘めた優しい黄金色

実験監修:東京大学教育学部附属中・高等学校 佐巻健男 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

染色を手軽に楽しもう

タマネギの皮を使って、布を染めてみましょう。美しい黄金色に染まります。タマネギの皮を煮出して布を浸すと、布は薄茶色に染まりますが、そのままでは色が落ちてしまいます。そこで、洗っても色が落ちないようにするための「媒染剤」というものが、昔から使われてきました。

媒染剤にはいろいろな種類のものがありますが、この実験で使うミョウバンのように、金属イオンを持つものがよく使われます。金属イオンには、他の物質と結合する「手」があって、媒染剤の金属イオンは色素の分子と結合して水に溶けにくい色素を作ります。

このときできた色素は、元の色素とは色も性質も異なります。この実験ではタマネギの皮の色素が黄金色の水に溶けにくい色素に変わったのです。

・タマネギの皮
(染めたい布と同量)
・木綿のハンカチ、クッションカバーなど染めたい布
・焼きミョウバン 
10~30g
・なべ
・針
・木綿糸
・バット
・割り箸
・牛乳やジュースの紙パック 
4~5枚

  • 染めたい布の重さを量り、それと同量のタマネギの皮を用意します。タマネギ1個で6~10g程度の皮がとれます。
    実験では絞り染めという方法で模様をつけます。染めたい布に木綿糸で丸や四角など好きな形に細かく波縫いします。

  • 2

    縫い終わったら糸を引っ張って布を絞り、絞った部分の布に糸をぐるぐると巻きつけてきつくしばります。絞った部分は染まりにくくなり、模様になります。

  • 3

    なべにタマネギと水を入れてガスコンロにかけ、約20分間、煮汁が濃い茶色になるまで煮出します。

  • 4

    (3)のなべに染めたい布を入れ、中火でさらに20分ほど煮ます。むらなく染まるように、ときどき割りばしでかき回して下さい。
    全体に色が染まってきたら布を取り出して、水洗いをします。このとき、やけどをしないように気をつけて下さい。

  • 5

    1000mlの水に焼きミョウバン10~30gを溶かします。

  • 6

    絞った布を1~3%の濃度のミョウバンの溶液に浸します。

  • 7

    薄茶色 の布が黄金色に変わったら取り出して、水洗いをして絞ります。そのまま干して乾かします。
    ほぼ乾いたら、最後に絞り染めの糸をほどき、アイロンをかけてできあがりです。

・ガスコンロを使用する際は必ず大人の人と一緒に行ってください。
・タマネギの煮汁やミョウバンは口に入れないようにして下さい。
・なべで煮た布を取り出す際は、やけどをしないよう注意して下さい。
・針を使用する際は、大人の人と一緒に行って下さい。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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