試してフシギ

熱分解「魔法の粉」で作る懐かしのカルメ焼き(No.24)

「魔法の粉」で作る懐かしのカルメ焼き 「魔法の粉」で作る懐かしのカルメ焼き

実験監修:東京大学教育学部附属中・高等学校 佐巻健男 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

「魔法の粉」の正体はホットケーキなどでおなじみの重曹。

さくさくとおいしいお菓子「カルメ焼き」を作ってみましょう。特別な材料は必要なく、砂糖と卵、重曹だけでOKです。

お玉に砂糖を入れて、水を加えてから強火にかけます。重曹と卵白(卵の白身の部分)、少量の砂糖を混ぜて練ったものを用意しておき、お玉で熱した砂糖水に入れてかき混ぜるだけ。しばらく放っておけば、自然にふくらんで、「カルメ焼き」ができあがります。

ぷっーっとふくらんでおいしそうなカルメ焼きになるには、重曹のチカラ.重曹は熱すると分解されて、炭酸ガスを発生するという性質を利用しているのです。

・大きめのお玉
(できればアルミ製で浅めのもの)
・砂糖
(できればグラニュー糖。なければ上白糖、三温糖、ザラメなど)
・重曹
・卵白
・温度計
(200℃まで測れるもの)
・割ばし数本
・針金

  • 温度計を割ばしではさんで、針金で固定します。125℃の所で割ばしに印を付けておきます。
    卵白に重曹30gと15gほどの砂糖を加え、よく練っておきます。
    お玉に砂糖を1/3ほど入れ、砂糖をひたす程度の水を加えます。

  • 2

    お玉を強火にかけ、100℃を越えたら弱火にし、125℃になるまでゆっくりと熱します。125℃になったら火からおろして、木の台やふきんの上に置き、泡の発生が収まるのを待ちます。

  • 3

    3本ほど束ねた割ばしの先に(1)で作った液をつけ、、お玉の中を全体が白っぽくなるまで10~20秒程度激しくかきまぜます。粘りが出てきたら、そっと割ばしをぬいてそのまま待ちます。

  • 4

    全体がふくらんで固まったら、お玉の底を弱火で熱してお玉にくっついている部分を溶かします。カルメ焼きがお玉の底から離れたら、お皿にあけてでき上がり。

・お玉はステンレス製よりも熱伝導率の高いアルミ製や銅製のものの方がうまくできます。
・お玉の種類によっては持ち手が非常に熱くなります。ふきんを巻くなどしてやけどをしないよう注意しましょう。
・お玉の中をかき混ぜる際は、必ず割り箸を使用してください。温度計でかき混ぜると割れることがあり、大変危険です。
・ガスコンロを使用する際は、必ず大人の人と一緒に行ってください。
・でき上がったばかりのカルメ焼きは非常に熱いので、やけどに十分注意してください。

カルメ焼きが膨らまない、固まらない。

グラニュー糖を用いると、白砂糖に比べ膨らみやすく、失敗しにくいようです。逆にザラメや三温糖は、色の変化で作業のタイミングがつかみにくくなってしまいます。また次の手順について、特に気をつけてみてください。

・温度管理が重要です。沸騰すると大きな泡がいっぱい出てきます。これが100℃程度です。この時点で火を弱くして、ゆっくりと水分がなくなるまで加熱します。水分がなくなってくると少し茶色に変色します。だんだん色が濃くなりトロリとしてきます。糸を引くようになるまでじっくり待って、火からおろします。
・割りばしに重ソウ卵の溶液を十分つけて、全体が白っぽくなるまで手早く力強くかき混ぜてください。はしが重くなり、粘りがでてきたらそっと割りばしをぬいて、全体が盛り上がってくるのを待ちます。

火から下ろしした後、割りばしでかき回すタイミングが分からない。

火から下ろしたらすぐにはかき混ぜず、木の台やふきんの上に置いて、底から上がってくる泡がなくなり、真ん中付近の浮いている泡が小さくなりはじめたら、重ソウ卵を入れます。入れると同時に砂糖液を激しく手早くむらなくかきまぜると、白くてなめらかなクリーム状になります。
薄い黄色に変われば割り箸を真ん中からぬいて、全体が盛り上がってくるのを待ちます。

お玉の形状はどんなものがいいのか。

カルメ焼き専用の銅製おたまじゃくしがありますが、台所用のおたまじゃくしで十分成功します。ステンレス製よりもアルミニウム製の方がきれいに仕上がります。そそぎ口のない大きめ(直径10cm程度)で浅いものが作りやすいでしょう。

砂糖の分量は?

カルメ焼き専用のおたまじゃくしでは砂糖40gが理想となっています。おたまじゃくしのサイズによってまちまちですので、サイエンスサイトでは「3分の1程度」と目分量で紹介しました。水との比率は適当ですが、多すぎると時間がかかります。重ソウ卵の卵白、重ソウ、砂糖の比率は適当です。Mサイズの卵に100gくらいの重ソウを加えると、50~60人が実験ができるほどの量になります。家庭でやるならば卵白の量は3分の1くらい(約10g)で十分でしょう。重ソウと卵白はよく混ぜておきます。砂糖は適当に付いている程度で大丈夫です。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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