試してフシギ

液化・気化一瞬でガスを液体に(No.227)

一瞬でガスを液体に 一瞬でガスを液体に

実験監修:東海大学特任教授 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

カセットボンベのガスは気体? それとも液体?

そうなんだ!

カセットコンロ用のガスボンベ(カセットボンベ)を振ると液体のような音がします。
燃料のガスは気体なのに、ボンベの中味は液体なのでしょうか。
簡単な実験で、その疑問を確かめてみましょう。
まず、ぬれると色が変わる液体検知紙を作ります。それを注射器に入れてカセットボンベのガスを注入し、圧縮すると紙の色が変わって液体が発生したことを示します。
また、圧力をゆるめると紙の色が消え、気体に戻ったことを示します。実は、多くの気体には圧力を上げると液体に変化し(液化)、圧力を下げると気体に戻る(気化)という性質があります。
カセットボンベのガスはその性質を利用して、液体の状態でボンベに詰めているのです。

1. 色紙(色の濃いもの) 1枚
2. 両面テープ
3. ティッシュペーパー 1枚
4. 注射器型スポイト(直径2cm程度) 1本
5. 竹ぐし 1本
6. カセットコンロ用ガスボンベ 1本
7. 虫ゴム 5mm
8. 消しゴム 1個
・はさみ
・定規

実験で使用した材料の詳細

・色紙 大創産業 折紙 24色180枚入
・両面テープ 大創産業 両面テープ カッター付<ミニ>
・注射器 シータスク 実験用注射器 ポリ製 20ml 針なし 丸基
・竹ぐし 大創産業 あじわい竹串18cm 150本入
・カセットコンロ用ガスボンベ TTS カセットボンベ 火子ちゃん
・虫ゴム 大創産業 自転車修理用虫ゴム
・消しゴム プラス プラス消しゴム エアイン(小)

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    色紙の色のついている面に、1枚にはがしたティッシュペーパーを両面テープで貼りつけます。
    ぬれると色が変わる液体検知紙ができます。

  • 2

    ①の両面テープを貼った部分を約1cm角に切り取り、針をはずした注射器に入れます。ティッシュペーパー側が上になるように竹ぐしで位置を整えます。

  • 3

    虫ゴムの上部を約1mm残してガスボンベのノズルにかぶせます。

  • 4

    押し子を注射器の奥まで押し込みます。
    注射器の先端をガスボンベの虫ゴムに差し、ゆっくり押し下げてガスを注入します。
    ※火の近くを避け、ガスを吸い込まないようにしてください。

  • 5

    押し子が上端まで上がったら注射器をガスボンベからはずし、先端を消しゴムに当ててふさぎます。

  • 6

    押し子を強く押し下げて、液体検知紙を観察します。
    色が変わったのを確認したら押す力をゆるめ、検知紙の変化を観察します。

実験を成功させるコツとヒント

・色の薄い色紙は、ぬれたときに色の変化がわかりにくので、濃い色のものを使用してください。
・ガスボンベのノズルは、やや強めに押し込むとガスが噴出します。注射器にガスが入ったかどうかは、ガスの圧力で自然に押し子が上がることで確認できます。

ガスを液化すると、体積はぎゅっと小さくコンパクトに

カセットボンベの中味は、石油や天然ガスから取り出されるブタンという可燃性ガスです。ブタンは圧力をかけると容易に液体になるので、ボンベなどに詰められ、カセットコンロやガスライターの燃料として広く使われています。
一般に気体を液化すると、その体積は非常に小さくなります。ブタンの場合、液化すると約230分の1に圧縮できるので輸送や保管にたいへん好都合です。ブタンなどの原料になる天然ガスも、採掘した気体のガスを液化し、タンカーで運んでいます。
一方、液体を気化させると体積は非常に大きくなります。たとえば水の場合、体積は約1240倍にも膨張します。この性質を利用して、動力を得ているのが蒸気機関です。

温度も関係? 液化と気化を引き起こすもうひとつの要因

水を加熱すると気化して水蒸気になり、水蒸気を冷却すると液化して水になるように、気化や液化は温度の変化によっても起こります。それではなぜ、圧力の変化と温度の変化が同じように気化や液化を引き起こすのでしょう。
そのヒミツを解くカギは、分子の運動です。気体の分子は、バラバラに離れて自由に動き回っています。一方、液体の分子は、寄り集まってお互いに引きつけ合い、あまり動きません。気体に圧力を加えたり冷却したりすると、分子の距離が近づき、お互いに引きつけ合う力がはたらいて液化します。反対に、液体にかかる圧力を減らしたり加熱したりすると、分子が動きやすくなり、引きつけ合う力を振り切って飛び出すので気化するのです。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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