冬になるといたずらをする静電気。
楽しい遊びに利用してみましょう。
冬になると、ドアノブなどをさわったときなどにバチッとショックを受けてびっくりすることがありますね。このショックの原因である静電気で遊んでみませんか。
てっぺんから荷造りひもをたらした帽子をかぶり、服をこすったりして静電気をからだにためていくと、だんだんひもが舞い上がって、ついには逆立ってしまいます。この不思議な帽子は、静電気が先端に集まりやすいという性質を利用しています。静電気が帽子の先のひもに集まると、静電気同士が反発しあって、この反発力でひもは宙に浮きます。からだにたまった静電気でひもを宙に浮かせてみましょう。
なぜ、冬になるとからだに静電気がたまりやすいのでしょう。
静電気は衣服の摩擦などで生じますが、靴や靴下などを履いていると、からだは地面から絶縁された状態となり、静電気が逃げていく場所がなくなります。冬は空気が乾燥しているので、この静電気が空気中の水分に逃げることができず、そのままたまりやすいのです。この状態で、金属などの電気がよく流れるものに近づくと、からだにたまった静電気が一気に流れようとして空気中で放電するため、その電気の出口となった部分(とくに先端である指など)に高電圧がかかり、衝撃を受けるのです。
・ポリプロピレンの荷造りひも
・キッチンペーパー(エンボスタイプ)
・色画用紙
・テープ
・はさみ
・静電気防止剤
(スプレー式のもの)
・塩化ビニールのパイプ
(塩ビ棒と呼んでいますが、パイプを使っています。太い方が静電気が多く起きます)
・発泡スチロール
(人間が乗れる程度の大きさで10センチくらいの厚さのものを台に使うと成功しやすいですが、なくてもかまいません)
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1
ポリプロピレンのひもを30センチくらいの長さに切って、きれいにひろげ、2枚にはがします(両面にセロテープを貼って、そのセロテープを持ってひきはがすときれいにはがれます)。
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2
その1枚を、さらに縦に半分に裂きます。このひもの片端を結んで、できるだけ細く数多く裂きます。
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3
色画用紙をまるめて、円錐状にします。このとき、円錐の頂点に穴が開いているように少し先を切ります。画用紙をテープで留めて、頭が入る大きさにすそを水平に切りそろえます。内側もテープで留めて、円錐の帽子を作ります。
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4
円錐の帽子の頂点にひもの結び目を押し込んで、中からテープで留めます。
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5
帽子全体に静電気防止剤を軽くスプレーして、帽子とひもがくっつきにくくします。
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6
帽子をかぶって、発泡スチロールの台に乗り、もう一人が塩ビ棒をキッチンペーパーでこすって静電気を起こし、写真のように送り込みます。ひもが開いて舞い上がります。
・ゴム底の靴などを履いて大地としっかり絶縁すれば、発泡スチロールの台がなくても大丈夫です。
・ひもが舞い上がりにくければ、帽子のかぶり方や、大きさ、ひもの長さを調整してみましょう。
・ひもは、静電気を起こす塩ビ棒にくっつきやすいので、注意して扱いましょう。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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