液体と固体の両方の性質を持つ粘弾性物質、スライム。
洗濯のりとほう砂で手作りスライムに挑戦してみませんか。
手に乗せたままにしておくと水のように流れ落ち、丸めて形をつくり強くたたきつけると弾み、ゆっくり引っ張ると長く伸びるのに強く引っ張ると切れる。スライムは、液体の性質である粘性と固体の性質である弾性の両方の性質を合わせ持つため「粘弾性物質」と呼ばれます。この粘弾性を利用して、写真にあるようないろいろな遊びに挑戦してみましょう。
スライムが粘弾性を持つのは、その構造に秘密があります。スライムは、洗濯のりに使うPVA(ポリビニールアルコール)と目を洗う時などに使うほう砂(しゃ)と水とを混ぜてつくります。PVAは水に溶けるビニールで、他のビニールと同じように分子が鎖状に長くつながった物質です。そのPVAの長い鎖と鎖の間に、ほう砂が橋を架けるようにいくつもつながって、分子の網目構造がつくられ、この網目に水が取り込まれます。
この網目構造に、ゆっくりと力を加えると、網目を保ったまま変形し、変形が限度を超すと、つなぎ目がずれて掛け変わります。このゆるやかな結合でつくられた構造が、不定形になったり、別のスライムとくっついて一つになったりする液体のような性質を示す原因です。一方で、急に力を加えると、この網目構造が変形に対してもとに戻ろうと反発し、加えた力がさらに強いと分子の鎖が切れてしまいます。このことが、弾性など、固体のような性質を示すのです。
・ほう砂
(四ホウ酸ナトリウムともいいます、薬局で売っています)
・合成洗濯のり
(P.V.A.=ポリビニルアルコール系と表示してあるもの、キーピングなどの商品ではできません)
・ぬるま湯(体温くらい)
・スプーン(小)
・バケツ
(大きなボウルなどでもよい)
・コップ2個(使い捨てられるもの)
・わりばし
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1
ほう砂をコップに入れ、水を少しずつ加えながら、わりばしでかき混ぜます。(目安としては、水200ccに対し、ほう砂はスプーンで2杯=5~8gほどです。)しばらくおいておき、上澄み液ができるのを待ちます。過飽和状態のほう砂水溶液にするためです。
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2
別のコップに合成洗濯のりを入れ、のりに対し2倍の量のぬるま湯を加えて、わりばしでよくかき混ぜます。(このときに、水彩絵の具や食用着色料を適量加えると、いろいろな色のスライムが作れます。)
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3
バケツに2を入れ、1の上澄み液を少しずつ加えて、手でよくかき混ぜます。だんだん固まってきたら、スライムのできあがりです。(1の上澄み液の量を少なめにすると柔らかいスライムが作れ、多めに加えると固めのスライムが作れます。)
・手が汚れていたり汗をかいていたりすると、ほう砂とPVAが結合しにくく、スライムがうまくつくれません。はじめる前には手を洗いましょう。
・ほう砂やスライムを口の中に入れないでください。
・スライムで遊んだ後は、必ずきれいに手を洗いましょう。
・遊び終わったスライムは、燃えないゴミとして捨てましょう。直接台所の排水口などに流さないようにしましょう。
なぜ、ほう砂と合成せんたくのりを混ぜるとぶよぶよした固まりになるのか。
スライムが粘弾性を持つのは、その構造に秘密があります。スライムは、洗濯のりに使うPVA(ポリビニールアルコール)と目を洗う時などに使うほう砂(しゃ)と水とを混ぜてつくります。PVAは水に溶けるビニールで、他のビニールと同じように分子が鎖状に長くつながった物質です。そのPVAの長い鎖と鎖の間に、ほう砂が橋を架けるようにいくつもつながって、分子の網目構造がつくられ、この網目に水が取り込まれます。
この網目構造に、ゆっくりと力を加えると、網目を保ったまま変形し、変形が限度を超すと、つなぎ目がずれて掛け変わります。このゆるやかな結合でつくられた構造が不定形になったり、別のスライムとくっついて一つになったりする液体のような性質を示す原因です。一方で、急に力を加えると、この網目構造が変形に対してもとに戻ろうと反発し、加えた力がさらに強いと分子の鎖が切れてしまいます。このことが、弾性など、固体のような性質を示すのです。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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