試してフシギ

屈折率レンズが消える!?(No.150)

レンズが消える!? レンズが消える!?

実験監修:愛知工業大学客員教授 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

ゼリーでできた半球のぷるぷるレンズをコップに入れて絵や文字の上に置くと、凸レンズを通して見たときのように大きく見えます。ところがこのぷるぷるレンズ、コップの中に水を入れてのぞいてみると、大きく見えていた絵や文字がもとの大きさになってしまいます。まるでレンズが消えてしまったみたい。ためしに、ガラスの凸レンズを同じようにコップに入れて絵や文字を見ると大きく見えるし、水を入れてもやっぱりまだ大きく見えます。ぷるぷるレンズとガラスのレンズでは何が違うのでしょう?

そうかなるほど

光には異なる物質の境界面で進む方向が曲がるという性質(屈折)があって、境界面の物質の種類によって曲がる角度(屈折率)が異なります。この境界面を球面にするとレンズになって、絵や文字が拡大されて見えます。ぷるぷるレンズでも球面になっている空気と水の境界面で光が屈折して、絵や文字が大きく見えるのです。コップの中に水を入れると、ガラスのレンズでは光が水とガラスの境界面で屈折して絵や文字が拡大されます。ところが、ぷるぷるレンズはほとんどが水だから、光は水から水へ進むことになって屈折しないで直進します。そのため、まるでレンズが消えてしまったようになるわけ。同じように中に立体物を入れて表面を凸凹にしたぷるぷるレンズは空気中では立体物がゆがんで見えますが、水の中では凸凹面での光の屈折がなくなって、もとの立体物が見えるようになります。さぁ、実際に作ってためしてみましょう。

材料

1. 粉ゼラチン 10g
(水200mlに対して)
2. 半球形の容器1個
3. 凸凹形状のゼリー型1個
4. ゼリー型に入る大きさのおもちゃや絵など
5. 透明なコップ(底が平らなもの)
6. 凸レンズ(コップに入る大きさ)か
透明なビー玉1個

工作の完成品

道具

・卵のパック
・なべ
・クッキングペーパー

半球状のぷるぷるレンズ

[工作・実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・火気や器具の取り扱いには十分注意し、ヤケドやケガをしないようにしましょう。
・作ったゼリーは口に入れないでください。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 200mlの水を沸騰させ、弱火にしてから粉ゼラチンを入れてしっかりと溶かし、透明になったら火を止めます。

  • 2

    10分ほどさましてから気泡を取るためにクッキングペーパーでろ過します。やけどをしないよう、十分注意してください。

  • 3

    溶かしたゼラチンを容器に注ぎます。容器がかたむかないよう、卵のパックなどに乗せて冷蔵庫に入れ、6時間ほど冷やして固めます。

  • 4

    容器を40℃程度のぬるま湯につけ、ゼリーの表面を少しだけ溶かして取り出すと、ぷるぷるレンズのできあがり。平らな面を下にしてコップに入れます。

  • 5

    中にレンズを入れたコップAと(4)のコップBを絵や文字の上に置きます。どちらも下の絵や文字が大きく見えます。ルーペを使うときのようにコップを少し持ち上げると、違いがわかりやすくなります。

  • 6

    それぞれのコップに水を入れると、レンズを入れたコップの下にある絵や文字はまだ大きく見えますが、ぷるぷるレンズはもとの大きさで見えます。

おもちゃや絵を入れた凹凸ぷるぷるレンズ

[工作・実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・火気や器具の取り扱いには十分注意し、ヤケドやケガをしないようにしましょう。
・作ったゼリーは口に入れないでください。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 凸凹形状のゼリー型に、おもちゃや絵が入るだけの容積を残して上の(2)で作ったゼラチンを注ぎます。

  • 2

    冷蔵庫で30分ほど冷やしてからゼリーの上におもちゃや絵を裏向きに入れ、ゼラチンをいっぱいまで注ぎます。

  • 3

    再び冷蔵庫に6時間ほど入れて固めます。上の(4)と同じようにぬるま湯につけてゼリーを取り出します。

  • 4

    平らな面を下にしてコップに入れます。コップの中をのぞくとおもちゃや絵がゆがんで見えますが、水を入れるともと通りの姿に見えます。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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