どうしてなのかな
コードが切れたイヤホンからラジオの音は聞こえない・・・当たり前ですよね。でも、実は音を聞く方法があるのです。今回は、その実験をしてみましょう。エナメル線でつくったコイルに、切断したコードの端をそれぞれつないでラジオのイヤホン端子へプラグをさしこみます。これで、ちゃんとイヤホンから音が聞こえてくるのです。
そうかなるほど
これは、相互誘導によるものです。一方のコイルに電流を流すと、磁力線が発生し、発生した磁力線がもう一方のコイルに作用して電流が発生します。図1のようにコイル(1)に乾電池をつなぎ、スイッチを入れたり切ったりして、断続的に電流を流すと、乾電池はコイル(1)にしかつながっていないのに、コイル(2)の検流計の針が振れます。これで相互誘導を目で見ることができます。
相互誘導は、コイルに流す電流をラジオなどの音声電流にかえてもおこります。音声電流をコイルに流すともう一方のコイルに音声電流が発生し、それがイヤホンに流れて音声を聞くことができるのです。
佐伯先生のさらに科学してみよう
2つのコイルの中に、磁石にくっつく金属(鉄など)を入れてみましょう。発生する磁力線が金属で束ねられて、コイルの周りの磁力線が密になります(図2)。その結果、もう一方のコイルに音声電流がたくさん発生するようになり、イヤホンから聞こえる音がより大きくなります。つまり、相互誘導をより効率よく起こすことができるのです。
相互誘導で音声が確認できたら、金属でどう変化するか試しましょう。
1. エナメル線 30m 2本
(直径0.3~0.4mm程度)
2. イヤホン 1個 (プラグつきレシーバー)
3. ラジカセ
4. ガラスコップ 1個 (円筒形のもの)
5. セロハンテープ
6. 紙やすり
7. はさみ または カッターナイフ
8. 鉄製スプーンやフォーク20本程度
(できるだけコップにいっぱいになる量)
※実験に使えるスプーンかどうかは磁石で調べましょう。その他、釘、ボルト、クリップなど、磁石にくっつく金属なら代用できます。
[工作の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分に注意をし、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が工作を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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1
3~4cmの間隔をあけ、ガラスコップの上下部分にセロハンテープを巻きます。
※エナメル線を巻くときのすべり止めです。 -
2
セロハンテープをはった部分に、巻きはじめを10cmほど外側に出してエナメル線を巻きつけ、幅1cmほどのコイルをつくります。巻き終わりも10cmほど外側に出して止めます。
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3
外側に出したエナメル線の両端の被膜を1cmほど紙やすりではがします。
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4
イヤホンのコードを切って2本にさき、それぞれの切り口のビニール被膜を1cmほどけずります。
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5
切り分けたコードをそれぞれ上下のコイルに結びつけ、セロハンテープで固定します。
[工作の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分に注意をし、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が工作を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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1
ラジカセの端子にイヤホンプラグをさしこみ、スイッチを入れて音量を大きめにします。コードはつながっていないのに、イヤホンから音が聞こえてきます。
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2
コイルを巻いたガラスコップの中にスプーンやフォークを入れます。
イヤホンから聞こえる音が大きくなります。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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