どうしてなのかな
超低温でつくる強力な電磁石
新幹線のおよそ2倍の速度で疾走するリニアモーターカーは、強力な電磁石を使って推進します。電磁石はコイルに流す電流が大きいほど強力になりますが、大電流を流すには、電磁石のコイルを太い導体でつくらなければなりません。しかし、それでは電磁石が大きく重くなってしまいます。小型で強力な電磁石をつくるには、細い導体に大きな電流が流せるようにしなければなりません。いま研究中のリニアモーターカーでは、液体ヘリウムでマイナス269℃にまで冷却した超低温のコイル(導体)に電流を流して強力な電磁石をつくりだしています。どうしてそのような超低温が必要なのでしょう?
そうかなるほど
電気抵抗ゼロで電流を流す
導体に電流を流すと、電気抵抗によって電気エネルギーの一部が熱になります。導体の電気抵抗は、温度が高いと大きくなり、温度が低いと小さくなります。そして、温度をどんどん下げていくと、ある温度で電気抵抗が急に小さくなり、まったくゼロの状態になります。このときの状態を超電導といいます。超電導状態の導体に電流を流すと、電流は電気抵抗を受けないため発熱によるエネルギー損失のない状態で流れつづけます。リニアモーターカーでは、このような超電導状態のコイルに大きな電流を流して、小型で強力な電磁石をつくりだしているのです。
電気抵抗が温度差でどう変わるか、豆電球で実験します。
1. ジュースなどのあき缶2個
2. エナメル線40m(直径0.3mm)2本
3. 豆電球とソケット2組
4. 単1乾電池2個
5. ドライアイス(氷屋さんなどにあります)
6. なべ(お湯をわかします)
7. カップめんの容器2個
8. トイレットペーパーの芯
9. 紙やすり
10. テープ(ビニールテープなど)
11. 割りばし
12. 輪ゴム数本
13. 軍手
[工作の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・ドライアイスを素手でさわったり、口の中に入れたりしてはいけません。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・工作・実験で使用する器具や材料の扱いは十分に注意をし、とくにヤケドやケガなどの事故に気をつけましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず
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1
あき缶2個にそれぞれエナメル線を巻きつけてコイルをつくります。巻きはじめと巻き終わり部分はテープでとめます。
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2
エナメル線の先端3cmほどを紙やすりでけずり、導体を露出させます。
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3
トイレットペーパーの芯を切り開いて乾電池2個を直列に並べ、巻いてテープでとめます。
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4
乾電池の+と-の電極がずれないよう、割りばしと輪ゴムを使ってしっかり固定します。
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5
図のように、コイルのエナメル線と豆電球のリード線を乾電池を固定した割りばしの下に通し、電極に接触させます。
※(3)~(5)は電池ボックスの代用です。
[実験の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・ドライアイスを素手でさわったり、口の中に入れたりしてはいけません。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・工作・実験で使用する器具や材料の扱いは十分に注意をし、とくにヤケドやケガなどの事故に気をつけましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず
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1
2個のコイルを、それぞれカップめんの容器の中に入れます。
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2
一方の缶と容器には、砕いたドライアイスを入れます。もう一方の缶と容器には、なべでわかした熱湯を注ぎます。
※ドライアイスを素手でつかむとヤケドをします。必ず軍手をはめましょう。
豆電球の明るさがどのように違うか、比較します。
実験の結果
ドライアイスの温度はマイナス78℃ですから超電導は起こりませんが、お湯(100℃)との温度差から、エナメル線の電気抵抗の違いを見ることができます。ドライアイスを入れたコイルは明るさが増し、お湯を入れたコイルは暗くなることから、低温になるほど電気抵抗が小さくなることがわかります。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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