試してフシギ

磁性スライムふにゃふにゃと磁石で動く不思議な物体(No.142)

ふにゃふにゃと磁石で動く不思議な物体 ふにゃふにゃと磁石で動く不思議な物体

実験監修:愛知工業大学客員教授 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

ぐにゃぐにゃと曲がるやわらかい磁石を知っていますか? たとえば冷蔵庫。ドア内側の周囲にはゴムを利用した磁石が使われていて、ドアを軽く押すだけでパタンとしっかり閉まります。もちろん、ゴム自体には磁石の性質はありません。

そうかなるほど

ゴムやプラスチックなどに磁石の粉をねりこむと、やわらかさと磁石の性質の両方をもたせることができます。この磁石はボンド磁石と呼ばれ、複雑な形に加工できるので冷蔵庫のほか、小型モーターにも使われます。
ところで、磁石にくっつくやわらかいものもあります。磁石にくっつく物質(磁性体)を細かい粉にして、液体にまんべんなくまぜれば、自在に変形する不思議な磁性体(磁性流体)ができます。ここでは鉄の粉とふにゃふにゃのスライムを使って、磁石に引き寄せられる磁性スライムをつくってみましょう。

佐伯先生のさらに科学してみよう

磁石には、N極とS極の2つの極があります。では半分に切ったら、N極だけの、あるいはS極だけの2つの磁石ができるのでしょうか? そうではありません。磁石の中は、ごく小さな磁石が方向をそろえて無数につながっているようなものです。だからいくら細かく切り刻んでいっても、磁石の両端にはいつもきちんとN極とS極が表れます。金太郎アメみたいですね。

材料

1. スチールウール
2. ほう砂(四ほう酸ナトリウム)
※薬局で注文すると取り寄せてくれます。
3. ポリビニルアルコール系洗濯のり
4. 磁石(なるべく強力なもの)
5. 紙やすり(目の細かいもの)
6. 水彩絵の具
7. 使い捨てプラスチックコップ3個
(200ccくらいの容量のもの)
8. お皿
9. 割りばし
10. 新聞紙

工作の完成品

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・スライムをさわった後は、よく手を洗いましょう。酢を少量加えた水で洗うと、手についたスライムが落ちやすくなります。
・スライムを口に含んだり飲み込んだりするのは危険です。
・実験後のスライムは「燃えないゴミ」として捨てます。台所の排水口などに流さないようにしましょう。
・工作・実験を行う際は、手順を必ず読んでから行ってください。
・工作・実験で使用する器具や材料の扱いに十分注意し、ケガに気をつけましょう。
・小学生など低年齢の方が工作・実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    新聞紙を広げてスチールウールを紙やすりですりおろし、さらに紙やすりにはさんで何回かこすり、できるだけ細かい鉄粉をつくります。

    ※鉄粉を吸い込まないようにマスクをしましょう。

  • 2

    コップにぬるま湯を30ccほど入れ、水彩絵の具を少量入れてよくかき混ぜます。

  • 3

    別のコップに合成洗濯のりを30ccほど入れ、(2)でつくった着色水を入れてかき混ぜ、(1)の鉄粉を加えてさらによくかき混ぜます。

  • 4

    次にほう砂の飽和水溶液をつくります。3つめのコップに60ccほどのぬるま湯を入れ、ほう砂を少しずつ加えながらかき混ぜていきます。ほう砂が溶けなくなるまで加えます。

  • 5

    (3)のコップの中に、(4)でつくったものを静かに注ぎ、割りばしでよくかき混ぜます。

    ※入れる量によって硬さが違ってきます。

  • 6

    できあがったスライムをお皿に移します。

  • 7

    磁石をゆっくりスライムに近づけると、スライムがふにゃふにゃと、ゆっくり形を変えながら磁石にくっつこうとします。

    水・のり・ほう砂の量を変えると、違った硬さのスライムができます。スライムの硬さや鉄粉の量、磁石の種類を変えて、いろいろ実験してみましょう。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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