イオン化傾向

どうして変わる?電気の強さと向き(No.141)

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どうして変わる?電気の強さと向き どうして変わる?電気の強さと向き

実験監修:愛知工業大学客員教授 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

実験の説明

どうしてなのかな

上の写真は身近にある金属を使った電池です。なんと、2種類の金属を食塩水にひたすだけ。このとき、アルミがマイナス(-)極、銅がプラス(+)極。回路計につなぐと、わずかに電気が流れていることがわかります。アルミ、銅、鉄で試した場合、アルミと銅を組み合わせた場合の電圧が最も高く、鉄は銅と組み合わせると-極、アルミと組み合わせると+極になりました。金属の組み合わせによって、電気の強さと流れる向きがちがうみたい?!

そうかなるほど

金属には陽イオン※1になりやすい性質があります。つまり、金属原子から電子がはなれてプラスの電気をおびやすいという性質です。この陽イオンへのなりやすさを金属のイオン化傾向といいます。金属によってイオン化傾向には差があり、イオン化傾向の大きい順にならべたものをイオン化列といいます(図1)。このイオン化傾向が電気の強さ(電圧)と流れる向き(極性)に関係しています。電気を通す溶液(今回の実験では食塩水)にひたした金属は、わずかにとけだして陽イオンになります。陽イオンになるときにはなれた電子は、金属の表面に残されます。2種類の金属を食塩水にひたしてリード線でつなぐと、電子は数の多い方から少ない方へ移動し、電流になります。電子を出す方が-極、入る方が+極。アルミは、鉄や銅よりイオン化傾向が大きく陽イオンになりやすいため、その表面に残る電子の数が鉄や銅よりも多く、-極になります。逆に銅は、アルミや鉄にくらべてイオン化傾向が小さく、その表面に残る電子の数が少ないため、+極になります。鉄のイオン化傾向は、銅より大きくアルミより小さいため、銅と組み合わせると-極になり、アルミと組み合わせると+極になります。また、2種類の金属のイオン化傾向の差が大きいほど、移動する電子の数が多いため、より強い電気が取り出せます。アルミと銅を組み合わせた場合の電圧が一番高いのは、鉄との組み合わせにくらべて、イオン化傾向の差が大きいからなのです。

※1:イオン
あらゆる物質は原子が集まってできています。原子はプラスの電気をもつ原子核とマイナスの電気をもついくつかの電子でできていて、ふだんはプラスとマイナスが打ち消し合って電気をおびていない中性の状態になっています。この原子から電子がはなれると、マイナスの電気量が減ってプラスの電気をおびます。逆に電子が加わると、マイナスの電気量が増えてマイナスの電気をおびます。このように原子や分子がプラスやマイナスの電気をおびたものをイオンといい、前者を陽イオン、後者を陰イオンといいます。

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