試してフシギ

液体レンズ表面張力でピントあわせ?(No.136)

表面張力でピントあわせ? 表面張力でピントあわせ?

実験監修:愛知工業大学客員教授 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

「液体レンズ」という言葉を聞いたことはありませんか? レンズといえばガラス、つまり固体をイメージしますが、液体のレンズが開発されているのです。しかも、レンズのふくらみを変えることができるので、カメラに使われているガラスのレンズのようにレンズの位置を動かさなくても、ピントあわせができるのです。だからレンズを動かすメカニズムや空間も必要ありません。でも、どうしてそんなことができるのでしょう?

そうかなるほど

レンズの基本的な性質は、曲率(レンズの球面の曲がりぐあい)で決まります。たとえば虫めがねの凸レンズは、ふくらみが大きくなると光を屈折させる力が強くなって、焦点を結ぶ距離が短くなります。虫めがねのレンズの曲率を変えることはできませんが、使いながら曲率を変えられるレンズがあります。それは目の水晶体。水晶体は水とたんぱく質でできている厚さ4mm、直径8mmくらいの凸レンズの形をした器官で、変形してふくらみかたを変えることで焦点距離を調節して、ピントをあわせています。開発された液体レンズも、静電気などによって2種類の液体の界面の形を変えることで、ピントをあわせます。水は表面張力が大きな物質なので、曲率の大きな曲面をつくることができます。右ページの実験では、水の量を調節することで、表面張力を利用して界面の形を凸レンズにしたり、凹レンズにしたりしています。試してみましょう。

材料

1. タピオカ用ストロー
(直径約15mm) 1本
2. 透明プラスチックコップ 1個
※食品トレイのフタ(高さ3.5cm以内)でもよい。
3. スポイト 2個

工作の完成品

道具

•はさみ
•きり
•多用途接着剤

下記のPDFをプリントアウトしてください。

実験で使う絵

[PDF:5.12MB]

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    透明プラスチックコップを底から3cmのところでで切ります。タピオカ用ストローを2cmの長さに切ります。
    ※食品トレイのフタを使う場合は、ストローとあわせた高さが5cmになるようにストローを切ります。

  • 2

    図のようにストローにあける穴の位置を決めます。

    ストローに穴をあけ、スポイトを浅くさしこんで接着します。

  • 3

    コップの凹凸のない部分にストローを接着します。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    スポイトとストローに水を入れ、スポイトの中の空気を押しだします。

  • 2

    準備するものページで印刷した絵や雑誌などの上に置いてストローの中をのぞきます。スポイトを押して水面のかたちを変化させ、絵や文字の大きさが変わって見えることを観察しましょう。

    (1)水面がくぼんでいると凹レンズのようになって、絵や文字が小さく見えます。

    (2)水面を平らにすると、絵や文字の大きさはもとの大きさのままに見えます。

    (3)水面がもり上がると凸レンズのようになって、絵や文字が大きく見えます。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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