試してフシギ

音の屈折音のレンズ(No.135)

音のレンズ 音のレンズ

実験監修:愛知工業大学客員教授 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

二酸化炭素をつめた風船を耳の近くにもってくると、まわりの音が少し大きく聞こえます。虫めがねで太陽の光を集めるときのように、レンズをとおった光が屈折して集められることは知っているけど、音も屈折するの?

そうかなるほど

屈折は光や電波,音など、波の性質をもつもの全てで見られる現象です。音は、空気などの物質が圧縮されると、それに反発する力(弾性力)がはたらいて膨張し、膨張しすぎて元の状態をすぎると、今度は逆向きの力がはたらいて圧縮されるということのくりかえしによって圧力の変化が伝わる現象です。そして、音が伝わる速度(音速)も、光と同じように物質によって変わります。実験-1では、笛を空気で鳴らしたときと二酸化炭素で鳴らしたときとで、音の高さ(振動数)が変わります。笛から出る音の高さは、音速が一定であれば笛(管)の長さが長いと低くなり、短いと高くなります(実験-2)。また、笛の長さが同じときは音速が速ければ高い音に、遅ければ低い音になります。実験-1では笛の長さは同じですから、空気と二酸化炭素とでは音の高さが低くなった二酸化炭素の方が音速が遅いことがわかります。レンズはガラスの中での光の速度が空気中よりも遅くなるためにおこる屈折現象を利用したものでしたね。虫めがねで光を集めるように、空気よりも音速が遅い二酸化炭素をつめた風船も、音を屈折させてレンズのはたらきをします。このため二酸化炭素をつめた風船を耳の近くにもってくると、音が集められて大きく聞こえたのです。
ところで、イルカは頭の部分に脂肪のかたまりをもっていて、これを音のレンズとして方向性の強い音波を発信して、仲間との交信や物体との距離をはかるために使っています。音のレンズを利用して生活しているのですね。

材料

1. ゴム風船 2個
2. 密封クリップ 2個
3. T字コネクター 1個
4. 笛(円筒形) 1個
5. ビニールチューブ(長さ約5cm) 1本
※内径が笛の口にあうサイズ
6. ドライアイス
7. ストロー 1本
8. 携帯ラジオ 1個

工作の完成品

道具

•はさみ
•軍手
•かなづち

空気と二酸化炭素で音のちがいを聞きくらべてみよう。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・ドライアイスは取り扱いを誤ると大きな事故につながります。正しく扱って安全に実験しましょう。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行っ

  • 1

    風船をふくらましてクリップでとめます。もうひとつの風船にドライアイスのかけらを入れ、クリップでとめます。しばらくするとドライアイスを入れた風船がふくらみます。
    ※ドライアイスを使用するときは換気をし、素手でさわらないようにしましょう。ドライアイスは密閉容器に入れないようにしましょう。

  • 2

    T字コネクターに笛と風船をつなぎます。

  • 3

    左右のクリップを交互に開閉して、空気で鳴る笛の音と二酸化炭素で鳴る笛の音を聞きくらべてみましょう。

笛の長さによる音のちがいを聞きくらべてみよう。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・ドライアイスは取り扱いを誤ると大きな事故につながります。正しく扱って安全に実験しましょう。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行っ

実験2

  • 1

    ストローの口を平らにつぶして図のように切ります。

  • 2

    切った側をくわえて吹くと音が出ます。

  • 3

    ストローを短く切ると音の高さが変わります。
    ※吹きながらストローを切らないようにしましょう。

実験3

  • 1

    実験1の(1)と同じ手順で、空気を入れた風船と二酸化炭素を入れた風船をつくります。

  • 2

    チューニングをはずしたラジオの雑音を、小さい音量で流します。

  • 3

    二酸化炭素入りの風船を耳に近づけラジオの音を聞きます。風船の位置を調整すると、音が大きく聞こえる場所が見つかります。空気を入れた風船とくらべてみましょう。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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