試してフシギ

双曲線壁の向こうの焦点(No.130)

壁の向こうの焦点 壁の向こうの焦点

実験監修:愛知工業大学客員教授 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

No.99ではだ円で、No.113では放物線の焦点に向かうクッションボールで遊びましたね。だ円も放物線も、そして今回の双曲線も、No.99で説明した円すい曲線です。だ円の一方の焦点からはじいたビー玉は、壁にぶつかってからもう一方の焦点に向かいましたね。双曲線では、もう一方の焦点は壁の向こう側にあります。この双曲線の焦点にはどんな性質があるのでしょう。今回はクッションボールではなく、水面を伝わる波で双曲線やその焦点の性質を見ることにしましょう。

そうかなるほど

だ円はふたつの点(焦点)からの距離の「和」が一定になる点の集まりでしたが、双曲線はふたつの点(焦点)からの距離の「差」が一定になる点の集まりです。池に小石を投げ込むと、波紋が同心円になって広がりますね。ふたつの小石を少し離れたところに同時に投げ込むとどうなるでしょう? それぞれの波が重なって、強めあったり弱めあったり(干渉)して複雑な波紋になります。ある場所での波の重なり方がどうなるかは、ふたつの小石が落ちた場所(波源=焦点)からの距離の差によって決まります。このため、波が強めあう点や打ち消しあう点は、ふたつの波源からの距離の差が一定となる点をつないでできる線、つまり双曲線に沿って並ぶことになります。また、双曲線の焦点には、一方の焦点から出た光が双曲線の鏡で反射されると、もう一方の焦点から直進してきた光のように見えるという性質、つまり、点光源の虚像をつくるという性質があります。これも実験で確かめてみましょう。今回の実験装置では、双曲線の焦点の性質だけでなく、だ円や放物線の焦点の性質を確かめたり、波の反射や回折などの様子を見たりできます。ところで、日の出から日没までに日時計の影の先端が描く線も双曲線になるんですよ。

材料

1. スチレンボード(B4) 2枚
※紙がはられていないもの
2. 透明プラスチックトレイ
(B5サイズ用) 1枚
3. クリアファイル(A4) 1枚
4. 透明下じき(B5サイズ) 2枚
5. スポンジすき間テープ
(幅3cm×厚さ1cm) 1m
6. 真ちゅう棒(太さ 約1mm) 1m
7. くし 1本
8. マップピン 3本
9. 消しゴム 1個
10. 500mペットボトル 4本
11. 自在針金(太さ 約6mm) 1m
12. 小型LEDライト 1個

工作の完成品

道具

•カッターナイフ
• 多用途接着剤
• のり
• ラジオペンチ
• テープ
• 油性ペン

下記のPDFを2枚プリントアウトしてください。

[PDF:665KB]

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    スチレンボードを図のように切ります。

  • 2

    ペットボトルに水を入れてボード(A)を固定し、LEDライトを自在針金で取りつけます。

  • 3

    透明トレイの内側にすき間テープをはり、ボード(A)にのせます。

  • 4

    準備するもの」で印刷した図の上に透明下じきを置き、油性ペンで双曲線を写します。同じものを2枚つくります。

  • 5

    1枚の下じきから双曲線を2枚切りとり、4cm幅に切ったクリアファイルではりあわせます。

  • 6

    準備するもの」で印刷した図1枚をボード(B)にのりではり、放物線にそって切ります。

    もう1枚のボードにも図をはって、だ円を切りぬきます。

    準備するもの

  • 7

    4cm幅に切ったクリアファイルを放物線とだ円にそってはります。

  • 8

    真ちゅう棒で水面をつつく道具をつくります。

    真ちゅう棒を切り、図のように折りまげます。

    消しゴムを図のように四角すいに切ります。同じものを3個つくります。

    (あ)と(い)には切った消しゴムをマップピンで図のように取りつけます。(あ)には、くしをテープではりつけます。(う)にはボード(C)と(D)に真ちゅう棒をはさんで接着します。実験では(あ)のくしを付けかえて使います。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    白い紙の上に装置をのせ、トレイに水を入れます。ライトをつけて部屋を暗くします。(あ)を水面につけ、ボールペンなどでくしをこすって振動させると、双曲線があらわれます。その様子が白い紙に写ります。

  • 2

    トレイの下に双曲線を写した下じきを入れます。下じきの双曲線にあわせて、工作の手順(5)でつくった双曲線を置き、(い)で焦点の近くをつつくと、壁で反射した波は壁の向こう側の焦点から出ているように見えます。

  • 3

    だ円をトレイの上に置き、(い)を使って焦点をつつくと、波が反対側の焦点に集まります。

  • 4

    放物線に取りかえ、(う)を水面につけて振動させます。波が放物線の焦点に集まります。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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