試してフシギ

過冷却パッと氷に変わる(No.13)

パッと氷に変わる パッと氷に変わる

実験監修:科学実験プロデューサー 米村傳治郎 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

-4℃の水が、ひとかけらの氷が入るだけで一瞬に凍る。
秘密は過冷却にあります。

この実験では、よく冷やしたビンのなかの水が一瞬にして氷に変わるところを見ることができます。一瞬なので見逃さないでくださいね。

ふつう、水は0℃以下になると凍ります。ところが、この実験のように、水を静かにゆっくりと冷やすと、マイナス12℃ぐらいまで凍らずに液体のままの状態を保つことがあります。このように、物質が液体から固体に変化する温度(凝固点)以下の温度でも液体のままの状態でいることを過冷却といいます。過冷却の水は、凍るきっかけを得られずに水のままでいるようなもの。そこへ小さな氷のかけらのような凍る「きっかけ」となる物を入れたり、衝撃を与えたりすると、「固体」つまり氷へと一瞬に変化するのです。

ビンを冷やすのに冷蔵庫ではなく氷水を使うのは、冷凍室ではマイナス20℃くらいの低温で急冷することや、冷凍室内にただよっている細かい氷の結晶が核となって、水が氷になりやすく、過冷却状態をつくりにくいからです。

・大きめのバケツ
・氷
・水
・塩
・細めの空きビン
・ラップ
・輪ゴム
・温度計
・お玉
・ハンマー
・タオル

  • バケツに、ハンマーなどで細かくくだいた氷(氷の密集度を上げよく冷やすため)、水、塩を入れ、お玉などでかき混ぜ、氷水を作ります(氷水の量はビンが完全にかくれるくらいを目安にしてください)。

  • 2

    温度計をさし、-4℃くらいになるのを待ちます(冷えない場合はさらに氷、塩を加えましょう)。

  • 3

    空きビンに水を8分目くらい入れ、ラップでふたをし輪ゴムで止めます。

  • 4

    氷水の中にビンを入れ、刺激を与えないように約20分間そのままにします。

  • 5

    ビンを静かに取り出し、ふたを取り、小さな氷のかけらをビンの中に入れると、一気に凍ります。

うまく凍らない。

・氷水をつくるとき、大きめのバケツでつくって温度を安定させる必要があります。温度が逃げないよう、アイスボックスを使うのも手です。
・水を入れたビンは、氷水の中で動かさず、20~30分ほどかけてじっくり冷やす必要があります。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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