試してフシギ

慣性モーメント同じ重さなのに(No.124)

同じ重さなのに 同じ重さなのに

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

どうしてなのかな

同じ大きさの円盤に、同じ数のクリップを、片方は回転軸の近くに、もう一方は外周に取りつけて坂道におくと、一方は速く、もう一方はゆっくりと回転して坂道をころがります。大きさも重さも同じなのに、ちょっと不思議ですね。

そうかなるほど

クルクルと目がまわりそうに回転するフィギュアスケートのスピン。両手をちぢめると回転が速くなり、広げると遅くなりますね。これは両手の位置によって慣性モーメントが小さくなったり、大きくなったりしているためです。慣性モーメントは回転する物体から回転軸までの距離を2乗して、それに物体の質量をかけた量であらわされますから、両手をちぢめると回転軸からの距離が短くなって小さくなり、広げれば大きくなるのです。回転する物体は角運動量(=角速度〈回転速度〉×慣性モーメント)を保存しようとするので、慣性モーメントが小さくなると回転速度が大きくなるのです。慣性モーメントは「回転のしにくさ」をあらわしていて、慣性モーメントの大きいものほど、回転させたり、回転をとめたりするのに大きな力が必要になります。クリップを外周に取りつけた円盤は、慣性モーメントが大きいためにゆっくり回転しますが、いったん回転をしはじめるととまりにくく、上り坂をもう一方の円盤よりも遠くまで上るのです。

材料

1. スチレンボード 1枚
(35cm×35cm)
2. ビニールチューブ
(外径0.5cm・長さ40cm) 4本
3. 厚紙(A4) 1枚
4. ゼムクリップ 12個
5. 竹ぐし 2本

工作の完成品

道具

•コンパス
•サインペン
•はさみ
•キリ
•カッターナイフ
•プラスチック用接着剤

[工作の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や火気、器具の取り扱いには十分注意し、けがやヤケドをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    厚紙に直径6cmの円を2つと、直径2cmの円を4つかきます。サインペンなどで模様をかいてから、線にそって切りとります。

  • 2

    円の中心に竹ぐしの太さより小さな穴をあけ、竹ぐしをさしこみます。同じものを2つつくります。

  • 3

    (A)の両側の小さい円にクリップをそれぞれ3つずつ均等につけます。(B)の外周にクリップ6つを均等につけます。小さい円は大きい円にぴったりくっつけましょう。

  • 4

    スチレンボードを図のように切って組みたて、ビニールチューブを接着します。同じものを2つつくります。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    レールの端に(A)と(B)を置き、同時に手をはなします

  • 2

    (A)のほうが(B)より速く回転しますが、上り坂は(B)のほうが(A)よりも遠くまで上ります。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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