放射

黒衣の吸収パワー(No.111)

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黒衣の吸収パワー 黒衣の吸収パワー

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

実験の説明

どうしてなのかな

熱の伝わり方には、物質が移動する対流と、原子や分子、電子などの運動によって熱だけが移動する伝導、そして電磁波が熱を伝える放射(ふく射)があります。No.106では空気の対流の実験、No.109では水(液体)と空気(気体)の熱の伝わり方(熱伝導)の違いの実験、No.110では金属の熱の伝わり方の実験をしましたね。今月号は放射と吸収の実験です。絵の具で色をつけた水や氷を太陽の光にあてると、色によってあたたまり方が違います。どうしてでしょう?

そうかなるほど

熱運動をしている物質(分子や原子)からは、電荷が振動することによって電磁波が放射されています。逆に、電磁波を吸収した物質は熱運動が激しくなり、温度が上昇します。このように放射による熱の伝達では電磁波がエネルギーを伝えるため、真空中で離れていても、温度の高い物体から低い物体へと熱が伝えられます。太陽が地球をあたためるのも、外の空気や窓ガラスが冷たいのにリビングの日だまりがあたたかいのも、放射による熱の伝達のおかげです。 熱放射には、比較的波長の長い可視光から赤外領域までの広い範囲の電磁波が関係していて、光と同じように物体の表面で吸収されたり反射されたり透過したりします。ところで、リンゴが赤く見えるのは赤い波長の光(電磁波)を反射して、ほかの波長の光を吸収しているからです。黒衣が黒く見えるのは、光をすべて吸収しているためです。黒く見える物体は熱放射に関係する電磁波もよく吸収するため、黒っぽいものはあたたまりやすく、反射率の高い白っぽいものはあたたまりにくくなります。つまり、色によってあたたまり方が異なるのです。今回の実験でも、着色した色によってわずかですが水の温度や氷がとける時間に差ができることがわかります。もちろん、光が透過する透明な水では熱を伝える電磁波も吸収されにくいため、あたたまりにくいはずですね。さぁ、実際に確かめてみましょう。

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