どうしてなのかな
熱の伝わり方には、物質が移動する対流と、原子や分子、電子などの運動によって熱だけが移動する伝導、そして電磁波が熱を伝える放射(ふく射)があります。No.106では空気の対流の実験、No.109では水(液体)と空気(気体)の熱の伝わり方(熱伝導)の違いの実験、No.110では金属の熱の伝わり方の実験をしましたね。今月号は放射と吸収の実験です。絵の具で色をつけた水や氷を太陽の光にあてると、色によってあたたまり方が違います。どうしてでしょう?
そうかなるほど
熱運動をしている物質(分子や原子)からは、電荷が振動することによって電磁波が放射されています。逆に、電磁波を吸収した物質は熱運動が激しくなり、温度が上昇します。このように放射による熱の伝達では電磁波がエネルギーを伝えるため、真空中で離れていても、温度の高い物体から低い物体へと熱が伝えられます。太陽が地球をあたためるのも、外の空気や窓ガラスが冷たいのにリビングの日だまりがあたたかいのも、放射による熱の伝達のおかげです。 熱放射には、比較的波長の長い可視光から赤外領域までの広い範囲の電磁波が関係していて、光と同じように物体の表面で吸収されたり反射されたり透過したりします。ところで、リンゴが赤く見えるのは赤い波長の光(電磁波)を反射して、ほかの波長の光を吸収しているからです。黒衣が黒く見えるのは、光をすべて吸収しているためです。黒く見える物体は熱放射に関係する電磁波もよく吸収するため、黒っぽいものはあたたまりやすく、反射率の高い白っぽいものはあたたまりにくくなります。つまり、色によってあたたまり方が異なるのです。今回の実験でも、着色した色によってわずかですが水の温度や氷がとける時間に差ができることがわかります。もちろん、光が透過する透明な水では熱を伝える電磁波も吸収されにくいため、あたたまりにくいはずですね。さぁ、実際に確かめてみましょう。
材料
1. 透明プラスチックボトル 4本
(110ml~150ml)
2. 水彩絵の具
(白、黒、青、黄)各色1本
3. 食品トレー
2枚~4枚
工作の完成品
道具
•紙コップ
•筆
•温度計
[実験の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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1
150mlの水に絵の具を溶かし、ボトルに注ぎます。ほかの3色も同じようにボトルに注ぎます。
※紙コップはほかの色が混ざらないように洗って使いましょう。 -
2
日なたに発泡スチロールの板を置き、日ざしが均等に当たるように4本のボトルを並べます。
※ボトルの影が重ならないよう注意しましょう。 -
3
日なたに発泡スチロールの板を置き、日ざしが均等に当たるように4本のボトルを並べます。
※ボトルの影が重ならないよう注意しましょう。
[実験の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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1
実験(A)の【1】と同じように4本の色水を準備し、凍らせます。
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2
凍らせたボトルを実験(A)の【2】と同じように並べます。キャップをはずして観察し、完全に氷がとけるまでの時間を計ります。黒、青、黄、白の順にとけることがわかります。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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