どうしてなのかな
No.109では水(液体)と空気(気体)の熱の伝わり方(熱伝導)の違いについての実験をしましたね。今月は金属の熱の伝わり方の実験です。銅、アルミ、鉄の棒の先端は小さなカップの中に入っていて、カップの中には同じ量の水が入っています。3本の金属棒のもう一方の端を同じ温度のお湯で温めながら、カップの中の水の温度を測ると、温度の上がり方に差があることがわかります。ちょっと不思議ですね。
そうかなるほど
熱伝導は分子や原子の熱運動がまわりの分子や原子に伝わって熱が移動する現象ですが、金属ではこれに加えて金属の中にある自由電子(金属中を自由に動き回ることができる電子で、原子の数と同じくらいある)が離れた位置にもすばやくエネルギーを伝えます。つまり、金属では隣の原子に振動が伝わる現象と、自由電子が動き回るという現象とによって熱が伝わっていて、しかも、この自由電子による熱伝導の方が数十倍以上も大きいため、他の物質に比べて金属は熱をよく伝えるのです。自由電子は金属の中を移動して電気も伝えます。電気を伝えやすい金属は熱も伝えやすく、鉄よりも電気を伝えやすいアルミニウムの熱伝導率(熱の伝わりやすさ)は鉄の約2.8倍、さらに電気を伝えやすい銅の熱伝導率はアルミニウムの約1.7倍になります。
材料
1. 銅針金(直径2mm)
A:長さ30cm 1本
B:長さ40cm 1本
2. アルミ針金(直径2mm)
A:長さ30cm 1本
B:長さ40cm 1本
3. 鉄針金(直径2mm)
A:長さ30cm 1本
B:長さ40cm 1本
4. フィルムケース 3個
5. 即席カップめんの容器
(どんぶり形) 1個
6. 食品トレー
2枚 ※平らな面が
10cm×15cm以上のもの
7. ガムシロップ容器 3個
工作の完成品
道具
•ラジオペンチ
•油性ペン
•プラスチック用接着剤
•キリ
•タオル
•スポイト
•温度計
[工作の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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1
針金(A)のそれぞれに印をつけて図のように曲げます。
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2
針金(B)のそれぞれに印をつけて図のように曲げます。
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3
フィルムケースのキャップの中心に直径2mmの穴をあけ、別の数ヶ所にも空気抜きの穴をあけます。
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4
食品トレーを切ってカップめんの容器に接着します。
[実験の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
実験Aの手順
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1
3個のフィルムケースに同量の水を入れます。キャップをして針金(A)を垂直に差し込んで凍らせます。
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2
フィルムケースから氷を取り出し、再び凍らせます。
※温めたタオルでケースをつつむと、取り出し やすくなります。 -
3
カップめんの容器を台(雑誌などでよい)の上に置きます。(2)の氷を冷凍室から出し、針金側を図のように固定します。容器に約40℃のお湯を注いだら、どの氷が先に落ちるかを観察します。銅、アルミ、鉄の順で落ちることがわかります。
実験Bの手順
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1
カップめんの容器とガムシロップ容器をトレーの上に置き、針金(B)を図のように入れます。3個のガムシロップ容器に同量の水を入れます。
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2
カップめんの容器に熱湯を注ぎます。
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3
30分ほどたったら温度計でそれぞれのガムシロップ容器内の水温を測ります。わずかな差ですが銅、アルミ、鉄の順に温度が高くなっていることがわかります。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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