どうしてなのかな
水を入れて凍らせた3本のペットボトル。1本はそのまま、もう1本は下の方に、残りの1本にはまん中あたりに穴をあけて、とけた水が外へ流れるようにします。さて、どのペットボトルの氷が一番先にとけてしまうでしょう。ちょっと考えてみてください。
そうかなるほど
冷たい水で満たされているほうが、何だかとけにくいような気もしますね。でも実際に試してみると、穴をあけなかったペットボトルの氷が一番先にとけてしまって、下の方に穴をあけて水が外へ流れるようにしたペットボトルの氷が最後まで残ります。ちょっと不思議ですね。
物質の一部をあたためると、その部分の分子や原子はエネルギーを受け取って激しく運動します。この運動がまわりの分子や原子に伝わると、その部分の分子や原子も激しく運動するようになって温度が高くなります。こうして熱が伝わる現象を熱伝導と呼びますが、空気のような気体では分子と分子の間が離れているため、水のようにすぐ隣に分子がある液体に比べて熱が伝わりにくいのです。水の熱伝導率(熱の伝わりやすさ)は空気の20倍以上もあるので、とけた水を抜いたペットボトル(氷のまわりは空気)に比べて、水を抜かなかったペットボトル(氷のまわりは水)の方が熱が伝わりやすく、氷が早くとけたのです。ところで、まん中あたりに穴をあけたペットボトルの氷はどんなとけ方をしましたか? 空気に触れている部分はとけにくく、水に触れている部分はとけやすいので、下の方が先に細くなるはずです。
材料
1. 透明プラスチックボトル 3本
(110ml~150ml)
2. 食品トレー 1枚
(約10cm×20cm)
工作の完成品
道具
•キリ
•彫刻刀(丸刀)
•ビニールテープ
[工作と実験の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。
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1
ボトル(B)とボトル(C)に穴をあけます。
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2
ボトル(B)、(C)の穴をビニールテープでふさぎ、3本とも同じ量の水を入れます。
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3
キャップをはずしたまま立てて凍らせます。
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4
凍ったボトルをトレーに並べ、ビニールテープをはがします。
※穴から水がもれるので、ぬれてもよい場所に置きましょう。 -
5
とけ方のちがいを観察しましょう。(A)、(B)、(C)の順にとけることが確認できます。
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6
ラベルでおおわれたボトルでは、ラベルとボトルの間に空気の層ができ、ラベルをはがしたものに比べて氷がとけにくくなることがあります。エアキャップで巻いたものなど、いろいろ試してとけ方を比べてみましょう。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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