試してフシギ

電磁誘導磁界が生む電流(No.108)

磁界が生む電流 磁界が生む電流

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

磁石の上につるしたコイルに別のコイルをつないで棒磁石をすばやく出し入れすると、さわってもいないのにつるしたコイルがわずかに動きます。その動きを見ながら磁石をタイミングよく出し入れすると、つるされたコイルはブランコのように大きく揺れます。ちょっと不思議ですね。いったいどんな力が働いているのか実験で確かめてみましょう。

材料

1. エナメル線60m
(線径0.28mm~0.35mm)
2. 方位磁針 1個
3. 棒磁石 1本
4. 円形ネオジム磁石
(直径1cmくらい) 3個
5. 電池ボックス 2個
(極性切り替えスイッチ付き)
※電池ボックス1個で切り替えスイッチの取り付けが可能なタイプがあれば1個でもよい
※写真は単2用。単1や単3用でもよい
6. 乾電池 2本
7. クリップ付きリード線 2本
8. 豆電球(ソケット付き) 1個
9. スチレンボード(厚さ5mm)
(A)7cm×30cm 2枚
(B)7cm×10cm 2枚
10. 厚紙
(a)4cm×8cm 2枚
(b)1cm×4cm 2枚
11. ボルト 1本
(M5、長さ5cm程度で磁石にくっつくもの)
12. 竹ぐし 1本
13. 釣り糸(1号程度) 40cm 3本
14. ビーズ 1個
(穴に釣り糸3本が通るもの)

工作の完成品

道具

•はさみ
•カッターナイフ
•キリ
•両面テープ
•セロハンテープ
•木工用接着剤
•サンドペーパー(♯240くらい)

[工作の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・ネオジム磁石は磁力が非常に強いため、刃物などの磁性体を強力に引き寄せます。刃物類を十分に遠ざけたり、磁石で指などをはさまないよう注意してください。また、磁気カードなどの記録媒体やペースメーカーなどの電子医療機器には近づけないでください。
・工作・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    厚紙(a)で直径2.5cmの筒を2つ作り、エナメル線を300回巻いたコイルを2つ作ります。

  • 2

    (A)巻き始めと巻き終わりのエナメル線の被覆をサンドペーパーではがします。

    (B)コイル(B)を筒からはずし、セロハンテープを巻いておきます。

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・ネオジム磁石は磁力が非常に強いため、刃物などの磁性体を強力に引き寄せます。刃物類を十分に遠ざけたり、磁石で指などをはさまないよう注意してください。また、磁気カードなどの記録媒体やペースメーカーなどの電子医療機器には近づけないでください。
・実験を行う際は、必ず手順を読んでから行ってください。
・刃物や器具の取り扱いには十分注意し、ケガをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 1

    実験(1)
    棒磁石で磁針を動かす実験

    棒磁石を方位磁針に近づけると、磁石どうしが反発したり引き合ったりするため磁針が動きます。

    近づける棒磁石の極性を変えると磁針の振れ方が変わります。

  • 2

    実験(2)
    コイルで磁針を動かす実験
    エルステッドの実験

    コイル(A)に乾電池と豆電球をつなぎます。スイッチを入れると豆電球が点灯し、電流が流れていることが確認できます。
    コイルを方位磁針に近づけると磁針が動きます。乾電池の極性を切り替えると磁針の振れ方が変わります。【実験1】と【実験2】から、電流が流れている導線は磁石と同じはたらきをすることがわかります。

  • 3

    実験(3)
    検流計を作り電流を検出する実験

    厚紙(b)と竹ぐし、ネオジム磁石で検流計の針を作ります。

    針をコイル(A)にのせて電流を流します。コイルが磁石になって、針が取り付けられている磁石と反発したり引き合ったりするため、針が振れて電流が流れていることがわかります。乾電池の極性を切り替えると針は反対方向に傾きます。

  • 4

    実験(4)
    コイルに電流を発生させる実験
    ファラデーの実験

    検流計にコイル(B)をつなぎ、棒磁石をコイル(B)に出し入れします。検流計の針がわずかに振れ、コイル(B)に電流が発生したことがわかります。出し入れする棒磁石の極を変えると、針が最初に傾く方向が変わります。

    磁力の強いネオジム磁石をボルトの頭にくっつけて同じように出し入れします。棒磁石のときより大きく振れます。

  • 5

    実験(5)
    コイルをブランコのように揺らす実験
    実験2・3(コイルに電流が流れると磁石になる)と実験4(コイルの近くで磁石を動かすとコイルに電流が流れる)を組み合わせた実験

    スチレンボードで枠を作り、コイル(B)を水平につるします。
    つるしたコイルの下にネオジム磁石を両面テープではり、乾電池をつないでコイルに電流を流します。電流が流れるとコイルに磁界が発生し、下に置いたネオジム磁石と反発したり引き合ったりしてコイルが動きます。乾電池の極性を変えると、コイルの動き方が変わります。

    乾電池の代わりにコイル(A)をつなぎ、【実験4】のようにネオジム磁石を出し入れすると、発生した電流がコイル(B)に流れてコイル(B)が磁石になり、ネオジム磁石をタイミングよく出し入れするとブランコのように揺れます。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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