大気圧

カップラーメンでマグデブルグの半球(No.107)

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カップラーメンでマグデブルグの半球 カップラーメンでマグデブルグの半球

実験監修:名古屋市科学館学芸員 佐伯平二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

実験の説明

どうしてなのかな

カップラーメンの容器を合わせて中の空気をストローで吸い出すと、二つの容器はくっついて、引き離すには思ったよりも大きな力が必要となります。ちょっと不思議ですね。1657年、ドイツのマグデブルグ市長だったオット・フォン・ゲーリッケは、二つの銅製の半球を動物の皮を間にはさんで合わせ、真空ポンプで内部の空気を抜いて両側から馬で引っ張るという「マグデブルグの半球」と呼ばれる実験を行いました。この半球は8頭ずつの馬で引っ張り合ってようやく離れ、大気圧の存在とその大きさが示されました。今回はいろいろな容器を使って「マグデブルグの半球もどき」を試してみましょう。

そうかなるほど

私たちは地球を取り巻く大気(空気)の中で生活しています。空気はとても軽くてその重さを感じることはありませんが、体積の約78%が窒素分子、約21%が酸素分子で構成されていて、1Lあたり約1.3g(0℃,1気圧)の重さがあります。この1Lの空気に含まれる分子の数は約2.7×1022個(1022は千億の千億倍)という想像もできないほどの数で、しかもこれらの分子は超音速で私たちのまわりを飛び回ったり、私たちにぶつかったりしているのです。こんなにすごいスピードで動いている分子にぶつかっても痛くないのは、分子の質量がとても小さいからで、たくさんの分子がぶつかると大きな力(圧力)になります。この空気の粒子(分子)が衝突することで生じる力は地表付近では1cm2あたりおよそ1kg重ですから、私たちは指先に1Lの水を乗せているのと同じだけの力を受けていることになります。これが大気圧(1気圧)で、これほど大きな圧力を受けても私たちがつぶれないのは、内側からも同じ大きさの圧力で押し返してつり合っているからです。空気は地球の重力によって地表近くに集中しているため、地表付近の大気圧は大きな力になりますが、上空では空気の密度が低い(分子の数が少ない)ために大気圧も低くなり、5km上空では地表のおよそ半分になります。
 さて、ようやくカップラーメンのお話しです。カップラーメンの容器を合わせただけでは容器の内側の空気の密度も外側の空気の密度も同じだから、両側から同じ大きさの圧力が加わって力はつり合うことになります。ストローで容器の内側の空気を少し抜くと、内側の空気の密度が低くなって外側から容器を押す力の方が大きくなり、引き離すには思ったよりも大きな力が必要となるのです。吸盤が平らな面にくっつく原理も同じで、吸盤の内側にある空気を抜くことで大気の圧力によって吸盤を平面に押しつけているのです。

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