フライや天ぷらに使った食用油を固めて燃えるゴミとして出すことができるようにする、廃油凝固剤。川や海の汚染を防ぎます。でもそうして固めた廃油、捨ててしまうにはもったいない、だってこんなにステキなローソクができるのですから。使用済みの食用油をリサイクルしてクリスマス・キャンドルを手作りしてみましょう。
ところで、キャンドルをつくった廃油凝固剤は、食用油をどうやって固めるのでしょうか。実は、固めたのではなく、閉じ込めたのです。廃油凝固剤の原料は、植物から抽出した天然油脂系脂肪酸。これを80℃以上の食用油に入れると、この脂肪酸はコロイド粒子という、目には見えないけれども原子や分子レベルよりもかなり大きなサイズの粒子となって溶け、食用油中に均一に分散します。そして油の温度が下がると、コロイド粒子がくっつきあってスポンジ状の構造をつくります。食用油は、そのスポンジ状のすき間に液体のまま閉じ込められ、固まったように見えるのです。コロイドのこの性質を利用したものには、お菓子に使われるゼラチンやカンテン、豆腐やコンニャクなどがあります。
廃油でできたキャンドルの不思議、そこに科学する心への入口が待っています。
ここで紹介するリサイクルキャンドルは、あくまでも「コロイド」の性質を知るための科学実験です。市販品と同等のキャンドルではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・油(てんぷらなどの料理のあとに出た廃油でOK)
・フライパン
・ティッシュペーパー
・割り箸(割らずに挟むのに使います)
・マッチ(キャンドルに灯をともすため)
・広口びん(ジャムビンなどのふたが出来るものならば、消すときにはふたをかぶせるだけでよいし、保管にも便利です)
・廃油処理剤(廃油を固めるタイプのもの)
ここで紹介するリサイクルキャンドルは、あくまでも「コロイド」の性質を知るための科学実験です。市販品と同等のキャンドルではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
[実験の注意]
・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・火を扱うため、実験には必ず保護者が立ちあってください。
・溶けた油に引火しないよう十分注意し、火をともしたときは目をはなさないでください。
・溶けた油と容器が熱くなります。やけどをしないよう取り扱いには十分に注意してください。
・火からはなれるときは、必ず火を消してください。
・廃油に含まれる不純物によって、ススやにおいが発生します。換気しながら実験を行ってください。
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1
フライパンに入った料理直後の油が熱いうち(80℃以上)か、フライパンに油を入れ加熱したものに、廃油処理剤を入れます。
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2
廃油処理剤が溶けて透明になったら、割り箸などでよくかき回します。
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3
ティッシュペーパーを1~2センチ幅にさいて、ぐるぐると数回よりを入れてローソクの芯にします。
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4
割り箸にティッシュの芯をはさんで、広口ビンの中央に芯が垂直に立つようにセットします。
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5
芯を立てたビンに、廃油処理剤を入れた油を注ぎ込みます。芯がビンの口よりも高くならないように量を加減します。
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6
固まったら割り箸をはずします。
(火を使う実験なので、子供だけではなく必ず大人と一緒にやるようにしてください。また、火や熱くなった油には充分気をつけましょう)
ロウの部分が白くならない。
廃油のよごれ具合によって色の加減は変わります。比較的きれいな油を使えば白いろうそくができます。
色をつけることはできるか?
油性のもので色をつけることができます。例えばクレパスを削って入れればOK。
「水と油」という言葉があるように、水溶性のインクなどでは油に溶けないため色はつきません。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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