棒の動きに合わせてフワフワと飛ぶ不思議な物体。海の中をただようクラゲのように見えることから、「電気クラゲ」と呼んでいます。
もちろん「飛ぶ」のは静電気の反発力のしわざ。軽いクラゲの重量に、静電気の反発力がまさるからです。絶縁体をこすると電気が生ずることは、古くから知られていること。琥珀(こはく)を表すギリシャ語が元になり、エレクトロン(電子)の言葉ができたほど。摩擦によって絶縁体の中の電子がはぎ取られ、それが一方に移ることによって、電気が生じ(摩擦電気)、絶縁体にとどまる(静電気)。
そこまではわかっているが、では、なぜ摩擦によって電子がはぎ取られ、他方に移るのか。調べていくと「よくわかっていない」という記述にぶつかる。どうも決定的な説明はなされていない。マクロな電磁気学的説明では不可能なようで、ミクロの科学、量子力学的な解明が待たれているようだ。
電気クラゲから始まる「なぜ」。そこに科学する心への入口が待っています。
・塩化ビニールのパイプ
(太い方が表面積が大きく帯電しやすいため成功しやすい)
・荷造り用のビニールひも
(材質はポリプロピレンがよい。2枚にはがせるタイプのものの方が軽くなるのでやりやすい)
・セロテープ
・ティッシュペーパー
・消毒用アルコール
・はさみ など
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1
ビニールひもを適当な長さ
(15センチくらい)に切って、きれいに広げ、
2枚にはがす
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2
両面にセロテープを貼って、そのセロテープを持ってはがすときれいにはがれる
その1枚を、さらに縦に半分
にする。 -
3
片端を結んで、
細くさく。
結び目の端は、はさみなどで切り落とした方がきれい。 -
4
片手にひもの結び目を持って、もう一方の手でティッシュペーパーを数枚重ねたもので、ひもをしごくと、
ひもが帯電して開く。
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5
数枚重ねたティッシュを手に持って塩ビのパイプをこする。パチパチ音がするくらいになるまでこすらないとパワーが出ません。
(表面が汚れていると電気がおきにくいのでアルコールをティッシュにしみこませたもので拭いてきれいにして再チャレンジ) -
6
パイプの上にひもを放り投げ、パイプで追うようにするとひもがフワフワ不思議な動きをします。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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