どうしてなのかな?
長く回り続けるコマをつくるには、次の4点がポイントになります。
・軸の先端部分の面積を小さくする(接触抵抗を減らす)
・空気の抵抗を受けにくい形にする(空気抵抗を減らす)
・重心の位置が回転軸の中心にあるようにする(重心の位置)
・中心部よりも外周部の方が重くなるようにする(回転の慣性を増やす)
コマの回転の持続については4.が重要な働きをします。
そうかなるほど!
軸の周りで回転する物体は、外から力が加わらない限り回転を続けようとします。この性質を回転の慣性(運動を続けようとする力)といいます。
回転の慣性は、回転軸の周りに質量がどのように分布しているかで変わり、回転軸に対して遠くの位置(外周部)が重いほど大きく、近い位置(中心部)が重いほど小さくなります。陶芸で使われるロクロは、回転の慣性が大きくなるように、回転軸に対して遠い位置が重くできています。そのため、回転させる時には大きな力が必要になりますが、一度回転をはじめると、長い間回転を続けます。
コマも回転の慣性を大きくすると長く回り続けます。そのためには、できるだけ外周部が均等に重くなるようにすればよいのです。
・コンパクトディスク(CD)2枚
・細書用油性ペン
(ペン軸の直径15mm)2本
・六角ナット(口径10mm程度)16個
・丸いはし(木製か竹製)2本
・カッターナイフ
・ペンチ
・両面テープ
・工作用接着剤
・三角定規とものさし
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1
2枚のCDに、中心を通って45°の角度で交わる4本の線を引きます。
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2
16個の六角ナットの片面に両面テープを貼ります。
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3
図のようにCDの外周部に8個のナットを貼りつけます。
※バランスをとるため、ナットの中心が引いた線の上にくるように注意しながら貼りつけます。 -
4
もう1枚のCDには、図のようになるべく内側にナットを貼りつけます。
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5
2本の油性ペンのペン先部分を軸からはずし、芯を抜き取ります。
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6
ペン先の穴に通るよう、丸いはしの先端部分を削り、ペン軸の中に収まるように、はしを短く切ってからペン先に差し込みます。
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7
油性ペンをCDの穴にはめ込み、CD面からペン先までの距離が3cmほどになるようにして周囲を接着剤で固定します。
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8
ナットをCDの外周部に貼りつけたコマと、内側に貼りつけたコマを同時に回してみましょう。外側を重くして回転の慣性を大きくしたコマの方が、ずっと長く回り続けます。
NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
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