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映写と動画の原理小さなビー玉で大きく映そう! 開演!ビー玉アニメ劇場(No.200)

小さなビー玉で大きく映そう! 開演!ビー玉アニメ劇場 小さなビー玉で大きく映そう! 開演!ビー玉アニメ劇場

実験監修:東海大学教育開発研究所所長 滝川洋二 
※監修者の役職は掲載当時のものです。
企画制作: 日本ガイシ株式会社

なんでだろう?

透明なシートに小さな絵が描いてあります。シートの前に透明なビー玉を置き、後ろからLEDライトで照らすと、スクリーンに大きな絵が映し出されました。まるでプロジェクターのようですね。ビー玉と小さなライトだけの簡単なしくみなのに、どうして拡大した画像を映写することができるのでしょう?

そうなんだ!

プロジェクターは、画像を拡大して映写する装置です。画像の拡大には凸レンズが使われます。凸レンズは、両面または片面の中央部が厚い球面です。実はビー玉もガラスでできた球体なので、凸レンズと同じはたらきをするのです。光は空気とガラスのように異なる物質を通るとき、その境で折れ曲がり屈折します。球面状の凸レンズを通る光は、周辺部ほど強く屈折してレンズの前の一点(焦点)に集まります。その後、光は再び広がっていくので、少し離れた場所にスクリーンを置くと、大きな画像が映し出されるのです。ただし、焦点の前後では上下左右が逆になるので、スクリーンに映る画像も逆向きになります。

もっと試したい!

スクリーンの映像が動きだしたら、もっと楽しいと思いませんか。昔の人も同じように考えました。19世紀後半には、多くの科学者や発明家によって映像を動かす試みがなされます。発明王トーマス・エジソンもそのひとり。しかし、当時の技術ではなかなか実用には至りませんでした。どうすれば、映像を動かすことができるのでしょう?

映像を動かすには、まず、少しずつ変化させた、ひと続きの絵が必要です。さらに、1枚の絵をごく短時間ずつ止めながら、規則正しく次の絵に切り替えなければいけません。この技術は、1895年にフランスのリュミエール兄弟によって確立されました。それでは、なぜこれで絵が動いて見えるのでしょう?
静止した絵を適当な間隔で見せられると、止まっているものが動いているように感じる「仮現運動」と呼ばれる知覚現象が起こります。また「残像」も関係しているといわれています。絵が見えなくなっても、少しの間は視覚にその絵が残って次の絵と重なり、つながって見えるのです。スクリーンに映すしくみはビー玉プロジェクターと同じ。さあ、動画に挑戦しましょう。

小さなビー玉で大きく写そう!

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 準備するもの

    1.透明なプラスチックのシート ※お惣菜パックなど 4cm×4cm
    2.透明なビー玉(直径25mm程度) 1個
    3.ペットボトル(500ml) 1本
    4.小型のLEDライト
    ・白い壁などのスクリーン
    ・カッターナイフ
    ・細書きの油性ペン

  • 1

    透明のプラスチックシートに、油性ペンで10mm角くらいの大きさの絵や文字を描きます。

  • 2

    フタをはずしたペットボトルにビー玉をのせ、スクリーンの前に置きます。

    ※小型のビー玉を使うときは、ペットボトルのフタの上にねり消しゴムを置いてビー玉を固定します。

  • 3

    ビー玉の後ろでプラスチックシートとLEDライトを手に持ってかまえます。
    シートを前後に動かしてピントを合わせると、スクリーンに映像が映ります。

    ※スクリーンの映像は上下左右が反対に映ります。

実験を成功させるコツとヒント

・フィルムに描く絵や文字は、ビー玉の直径より小さくしてください。大きすぎると周辺部が映りません。より細かい絵を描きたいときは、「プラ板を使ったフィルムのつくり方」を参考にしてください。
・ビー玉とスクリーンの間隔は、すぐ近くから1mくらいまでの範囲で映写可能です。間隔をあけるほど大きく映りますが、画像が不鮮明になるので、40cm程度が見やすい距離です。部屋をあまり暗くできない場合は、もっと近くで映してください。

実験で使用した材料の詳細

・透明プラスチックシート:大創産業 硬質カードケース A4サイズ
・透明ビー玉:大創産業 び~だま(ちょっと大きめタイプ)
・LEDライト:大創産業 LEDワイド&スポットライト
・油性ペン:ZEBRA マッキー極細 赤

開演!ビー玉アニメ劇場

[実験の注意]

・NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものであり、工作の完成品は市販品と同等、もしくは代用品となるものではないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。
・必ず手順を読んでから工作・実験を行ってください。
・器具の取り扱いには十分注意し、けがをしないようにしましょう。
・小学生など低年齢の方が実験を行う場合は、必ず保護者と一緒に行ってください。

  • 準備するもの

    1.厚紙 15cm×13cm
    2.ゼムクリップ 4個
    3.つまようじ 1本
    4.ねり消しゴム 少々
    5.透明なビー玉(直径25mm程度) 1個
    6.小型のLEDライト
    7.透明なプラスチックのシート ※お惣菜パックなど 21cm×3cm 数枚
    8.ホームページからダウンロードした下絵
     ※アニメ用イラストはこちら
    ・白い壁などのスクリーン
    ・カッターナイフ
    ・はさみ
    ・セロハンテープ
    ・細書きの油性ペン

  • 1

    厚紙を図のように切って、映写機の台紙と映写窓をつくります。つまようじを台紙にテープで固定します。L字型に折り曲げたゼムクリップ2個をセロハンテープで映写窓に固定します。

  • 2

    映写窓をテープで台紙に固定します。さらにL字型に折り曲げたゼムクリップ2個をテープで台紙に固定し、フィルムを通す支えをつくります。

  • 3

    1cm角にちぎったねり消しゴムを図の3ヵ所に置き、ビー玉とLEDライトを仮どめします。ライトを点灯して、光の中心とビー玉が一直線になるようにビー玉とライトの位置を調整します。

  • 4

    下絵にプラスチックシートをテープで仮どめし、油性ペンでなぞります。下絵に合わせてはさみでシートに切り欠きを入れ、シートを下絵からはがせば、映写フィルムのできあがりです。

    アニメ用イラストはこちら。

    ※より細かいアニメを作りたい場合
     より細かいアニメの作り方はこちら。
     細かいアニメ用イラストはこちら。
     細かいアニメ用フィルム枠はこちら。

  • 5

    フィルムを映写窓とクリップの間に通し、ビー玉とライトの位置を調節してピントを合わせます。きれいに映ったら、フィルムの切り欠きをつまようじに当てながら、右に軽く引っぱってみましょう。タイミングがうまく合うと、絵が動いて見えます。

    ※片手でシートの上を軽く押さえ、少し引っかかりながら

実験を成功させるコツとヒント

・フィルムに描く絵や文字は、ビー玉の直径より小さくしてください。大きすぎると周辺部が映りません。より細かい絵を描きたいときは、「プラ板を使ったフィルムのつくり方」を参考にしてください。
・ビー玉とスクリーンの間隔は、すぐ近くから1mくらいまでの範囲で映写可能です。間隔をあけるほど大きく映りますが、画像が不鮮明になるので、40cm程度が見やすい距離です。部屋をあまり暗くできない場合は、もっと近くで映してください。
・動画用のフィルムを自作するときは、コマごとに全く異なる絵にするのではなく、絵の一部だけが変化していくように描きます。また、上下方向の変化を描くと、絵の動きを感じやすくなります。
・動画用のフィルムは、一定のリズムで一瞬止まりながら動くように引っぱってください。

実験で使用した材料の詳細

・厚紙:大創産業 厚紙(A4用・8枚入)両面白色
・クリップ:アスクル ゼムクリップ大(29mm)
・ねり消しゴム 大創産業 ハムッコねり消しゴム
※透明プラスチックシート、透明ビー玉、LEDライト、油性ペンは映写編と同じもの

下記のPDFをプリントアウトしてください。

ビー玉は、実は高性能レンズだった?

レンズとしてビー玉はどんな特徴をもっているのでしょう。小さな文字にビー玉をかざしてみてください。文字にビー玉がくっつくくらいまで近づけると、かなり拡大された文字がはっきり見えてきます。そこがビー玉の焦点です。ビー玉はきわめて焦点距離が短く、倍率の高いレンズなのです。直径10mmのビー玉の場合、焦点は球の表面から約2.5mmにあり、倍率は約30倍にもなります。
もし、大きさの違うビー玉があったら、見え方の違いを比べてみましょう。小さいビー玉の方が大きく見えるはずです。ビー玉の倍率は直径が短いほど大きくなるので、ごく小さいビー玉をつくれば、ものを大きく拡大して見ることができます。17世紀オランダのアントニ・ファン・レーウェンフックは、直径1mmほどのガラス玉を使って世界初といわれる顕微鏡を製作しました。レーウェンフックは、科学的な専門教育を受けていませんでしたが、自作の顕微鏡を使って、微生物などの生物学上重要な発見を数多く成し遂げました。

エジソンとリュミエール兄弟の映画発明競争

19世紀前半の写真の発明に続いて、19世紀後半には写真を動かして見せる装置に多くの人が挑戦します。1894年にアメリカのトーマス・エジソンは、キネトスコープという映写装置を商品化し、アメリカ各地やヨーロッパで大評判になります。エジソンのキネトスコープは、一人ずつ箱の中をのぞいて動画を見るものでした。
ところがその翌年に、フランスのリュミエール兄弟は、動画をスクリーンに映し出して大勢で楽しめるシネマトグラフを発表します。現在の映画とほぼ同じしくみです。リュミエール兄弟のシネマトグラフは、毎秒16枚の画像を1コマずつ止めながら動かす機構や、周期的に画面をさえぎるシャッターを備え、1台で撮影もできる優れたものでした。これによって映画発明競争に終止符が打たれたのです。
エジソンは映画の世界では完全に敗れ去ったのでしょうか? いいえ、エジソンが定めたフィルムの横幅やフィルムを安定して送る両側の穴の規格は、現代にも受け継がれています。さすが、世界の発明王ですね。

プラ板で細かい絵のアニメをつくろう!

プラ板は、専用のプラスチック板に絵を描き、加熱によって小さく固めて加工する工作です。プラ板を使えば、大きめに描いた原画を縮小して使えるので、より細かい絵柄のフィルムをつくることができます。

■準備するもの

・プラ板(0.4mmまたは0.2mm)
・ダウンロードしたプラ板用下絵
 ※アニメ用イラストはこちら。
・フィルム枠用の厚紙
・カッターナイフ
・ハサミ
・セロハンテープ
・両面テープ
・油性ペン
・オーブントースター
・アルミホイル
・はし またはピンセット
・本などの重し

[実験で使用した材料の詳細]
・プラ板:大創産業 工作用クリヤープラ板(B4 厚さ0.3mm)
・厚紙:ミューズ イラストレーションボードS/KMKケント両面しろ/1mm厚

実験材料の一例です。準備する際の参考にしてください。

■工作・実験の手順

1 プラ板の厚みにあわせて(0.4mmの場合は3cm×4cm、0.2mmの場合は3.5cm×5cm)、カッターナイフで下絵の枚数分カットします。下絵にセロハンテープ仮どめして油性ペンで絵を描きます。すみに番号をふっておくと台紙に貼り付ける際に便利です。
※プラ板は厚みによって縮む割合が違います。

2 シワシワにしたアルミホイルを広げ、1cm以上間隔を開けてプラ板を並べます。オーブントースターで、プラ板の説明書通りに加熱します。

3 加熱し終わったプラ板は、はしやピンセットで平らなところに取り出し、上から平らなもので押さえて反りを直します。
※加熱したプラ板は熱いので、やけどに注意してください。

4 フィルム枠をダウンロードして厚紙に印刷します。カッターナイフで周囲と窓の部分を切り取ります。中央の切り欠きは、折りたたんでハサミで切り取ります。
  ※アニメ用イラストはこちら。

5 約5mm幅に切った両面テープを窓の上下と両端に貼ります。

6 プラ板の向きに注意して、窓に合わせて番号順に貼り付けます。
※映写すると上下左右が反対に映ります

7 台紙を真ん中で折りたたみ、セロハンテープで止めて完成です。

NGKサイエンスサイトで紹介する実験は、あくまでも家庭で手軽にできる科学実験を目的としたものです。工作の完成品は市販品と同等ではなく、代用品にもならないことを理解したうえで、個人の責任において実験を行ってください。

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